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RADWIMPS「命題」歌詞考察|タイトルの意味と秘められたメッセージを徹底解説

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RADWIMPS「命題」歌詞考察|タイトルの意味と秘められたメッセージを徹底解説 Jポップ

RADWIMPS『news zero』のテーマソングとして書き下ろした「命題」
この歌は、報道の光と影、私たちの弱さと強さ、そして“答えのない問い”を優しくも力強く描き出しています。

歌詞に散りばめられた言葉や構造を根拠に、タイトルの意図から一行一句まで、具体的かつ論理的に読み解いていきます。

※当サイトでは、音楽を聴いて感じたことを個人で考察・発信しています。
読者の皆さんにも、新たな視点や楽しみ方が届けば幸いです。

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命題 / RADWIMPS の歌詞

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僕たちは見えない明日を一日も休まず
受け入れながらヒビ割れながら 自らツギハギで直して

もしかして明日になれば何か変わるかもなんて
なんて健気でなんて怠惰で なんて幼気な生き物
時に愚かで 稀に狂気に犯されるのも仕方がない

だけど僕らは「諦めない」をこの遺伝子に刻まれて
呼吸のたびに希望探し求めるよう形作られ
こんなちっぽけな自分だけども誰かのための何かに、なれるよう
願ったんだ

はじめて産まれてきたの 右も左も知るわけないだろう
悲しみとこんなとこで 待ち合わせたつもりなどないけど

どれだけ道迷ったか よりどれだけ間違えなかったか
それが生きた証ならば そんな世界に用などこちとらないから

この世に産まれ堕ちていくらか時が流れたが
世界は僕を見知らぬそぶり 呼び出しといてそりゃないだろう

てめぇのインチキがバレりゃ他所に五万といると
光の速さ 開き直りで自己避難かわすスルーパス

人生上級者たちがまるで幅利かす時代
「白」か「黒」かの二元論が横行 ゆらめきさえ許さず
原告席に溢れ返る人、被告席はもぬけの殻

言葉に刃つき立ててぶん回すようなこの時代に
「平気な顔が上手い選手権」 強制参加の時代に
それでも君がいてくれるなら 明日も生きてみたいと、そう心から
願ったんだ

諦め方、いなし方 呆れ方と誰かのくさし方
それが時代の装備だって信じる君のその笑い方

いつか消えてしまうのは 憎しみも愛しさも同じだろう
その声の主に僕は今 どんな言葉をかけられるんだろう

悲しみの 先にも
君の声は
トゥールル トゥットゥ トゥールル トゥットゥ
聞こえてくるよ
トゥールル トゥットゥ トゥールル トゥットゥ
聞こえてくるよ

誰もが幸せになれるわけではないこの世界
これを超える真実がどうにも見当たらなくて目眩がする

世界に溢れるほとんどの夢なんか叶わない
それをなんで入学して一番最初の授業で教えない

はじめて産まれてきたの 右も左も知るわけないだろう
悲しみとこんなとこで 待ち合わせたつもりなどないけど

「君が無駄にした今日は 誰かが生きたがってた今日だ」と
言われたとこでビクとも しない夜だってザラにあるけど

広い海に一滴の 目薬ほどの違いだとしても
僕がここに生まれてきた意味の 一雫を探して彷徨うような日々

「君じゃないと」が聞きたいの 君と僕の(くすぐったいよ) 希望ごっこ

命題 / RADWIMPS

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タイトルに込められた二重の意味

「命題」とは本来、哲学・論理学用語で「真偽を問う問題」を指します。

しかしこの曲では、「命(いのち)」「題(だい)」を重ね、「命にまつわる問い」とも読めます。報道が日々投げかける“生きる意味”の問いかけが、このタイトルに集約されているのです。

日々のヒビと自己修復

僕たちは見えない明日を一日も休まず
受け入れながらヒビ割れながら 自らツギハギで直して

命題 / RADWIMPS

「見えない明日」を「休まず」受け入れる──それは、不安に揺れながらも毎日を生き抜く私たちの姿です。
「ヒビ割れ」は心の傷、自らの「ツギハギ」は自己修復のメタファー苦しみを隠さず、自らの手で縫い合わせることで、日常をつむぎ直す強さと脆さを同時に示しています。

健気さと怠惰さの間で

もしかして明日になれば何か変わるかもなんて
なんて健気でなんて怠惰で なんて幼気な生き物

命題 / RADWIMPS

「明日になれば」と願う健気さも、行動を起こさずただ待ち続ける怠惰さも、人間の両義性です。
“純粋さ”と“未熟さ”が折り重なり、私たちが抱える揺らぎを浮き彫りにしています。

「諦めない」遺伝子としての希望

だけど僕らは「諦めない」をこの遺伝子に刻まれて
呼吸のたびに希望探し求めるよう形作られ

命題 / RADWIMPS

「遺伝子に刻まれて」とは、希望を求める意志が身体構造そのものに根付いているという強い表現です。
呼吸をするたびに希望を求める探求心は、単なる気休めではなく、人間が本能的に持つ力強さを象徴しています。

生まれ落ちた瞬間の無垢と悲しみ

はじめて産まれてきたの 右も左も知るわけないだろう
悲しみとこんなとこで 待ち合わせたつもりなどないけど

命題 / RADWIMPS

私たちはみな、産まれてきたのは初めて。

誕生と同時に訪れる「悲しみ」との不本意な出会い。
無知の無垢さと、すでに内包される痛みが対比され、「命題」が突きつける“生まれること自体の問い”を強調しています。

ちなみに命題のシングルのジャケットになっているアートワークは”よくできました”の印で形作られた「Q」の文字です。

どんな疑問であっても肯定される、そんなメッセージも感じます。

迷いと正しさ、価値観の逆転

どれだけ道迷ったか よりどれだけ間違えなかったか
それが生きた証ならば そんな世界に用などこちとらないから

命題 / RADWIMPS

「迷うこと」の価値を肯定し、「間違わないこと」の評価を相対化
既存の価値基準に抗い、自らの選択と試行錯誤を肯定する意思表明です。

情報の呼び出しと自己回避

世界は僕を見知らぬそぶり 呼び出しといてそりゃないだろう

命題 / RADWIMPS

報道が私たちに現実を「呼び出す」一方で、無関心を装う「見知らぬそぶり」。

自分自身の存在のちっぽけさを感じます。

また、情報過多の時代に潜む、他者事としてのメディア消費を鋭く描いています。

二元論が支配する時代と裁判劇

「白」か「黒」かの二元論が横行 ゆらめきさえ許さず
原告席に溢れ返る人、被告席はもぬけの殻

命題 / RADWIMPS

SNS炎上や偏った報道の中で、白黒つけたがる風潮を「裁判劇」に見立てています。
声を拾われる側と、置き去りにされる側の不均衡が、現代社会の闇を映し出します。

「君」がいるからこそ生きたい

それでも君がいてくれるなら 明日も生きてみたいと、そう心から願ったんだ

命題 / RADWIMPS

無数の問いと失望を経て、最後に救いとなる「君」の存在。
社会的命題を超えて、私はあなたのために生きたい──個人的な確信と共感がここにあります。

RADWIMPSらしさを感じる救いの歌詞であると感じます。

時代の装備としての言葉

諦め方、いなし方 呆れ方と誰かのくさし方
それが時代の装備だって信じる君のその笑い方

命題 / RADWIMPS

防御と攻撃のコミュニケーションスキルを「装備」に例えた一節。
その上で「君の笑い」を信じることで、時代への抵抗と希望が交錯します。

「今日」の価値と他者視点

「君が無駄にした今日は 誰かが生きたがってた今日だ」と
言われたとこでビクとも しない夜だってザラにあるけど

命題 / RADWIMPS

君が無駄にした今日は 誰かが生きたがってた今日だ そんな言い尽くされた言葉が心に刺さらない日もある、と正直に表現します。

世界の遠くで起こる出来事が、自分事に感じられない時もある。

日本に生きる私たちにとってリアリティのある歌詞に感じます。

目薬の一滴としての存在意味

広い海に一滴の 目薬ほどの違いだとしても
僕がここに生まれてきた意味の 一雫を探して彷徨うような日々

命題 / RADWIMPS

小さな変化の尊さと、答えなき旅路を「目薬の一滴」に託した比喩。

「僕がここに生まれてきた意味」

人生の意味を問い続けること自体が、終わりなき「命題」であることを示唆します。

「君じゃないと」がもたらす自己肯定

「君じゃないと」が聞きたいの 君と僕の(くすぐったいよ) 希望ごっこ

命題 / RADWIMPS

他者に特別視されることで得られる自己肯定
“希望ごっこ”という曖昧な遊びのようでいて、切実な願いが描かれています。


まとめ:問い続ける命題として生きる

RADWIMPS「命題」は、報道の公共性と個人の深層心理を結びつけるメッセージソングです。

  • 傷つきながら自己修復し、
  • 迷いを抱えたまま前に進み、
  • 他者との絆に救いを見出し、
  • 答えなき問いを生きる──

この曲を聴き終えたとき、あなた自身の「命題」は何になりますか?
その問いを抱え続ける限り、生きることの意味を探し続け、また次の一歩を踏み出せるはずです。

RADWIMPS「命題」が投げかける問いを、ぜひあなた自身の胸に刻んでみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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