2024年11月2日、PompadollS より「悪食」が配信リリースされました。
ピアノのイントロが印象的で一気に曲に引き込まれます。
社会派な歌詞が、楽曲を刺激的にしていていい意味で若さゆえのとげとげしさが綺麗に表現されている楽曲に感じました!
童話『ヘンゼルとグレーテル』をモチーフに、現代社会に潜む「無自覚な悪意」をテーマにした楽曲です。
曲名の「悪食」も歌詞の考察要素を増やしてくれていますよね。
悪食の歌詞に込められた意味を解説・考察していきます。
ちなみにPompadollS の読み方は ポンパドールズ 、「悪食」の読み方は あくじき です。
では早速記事に入ります。
※この記事は、音楽ファンとしての考察を記録したものです。
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PompadollS のプロフィール
PompadollS (ポンパドールズ)は、正統進化型・邦楽ロックバンドを自ら名乗るロックバンドです。
メンバーは、
ギターボーカル/五十嵐五十
ギター/青木廉太郎
ベース/サイカワタル
ドラム/但馬馨
キーボード/小松里菜
2024年1月に正式に結成し、東京を拠点に活動する新進気鋭のロックバンドです。
2025年6月28日(土)にファーストワンマンライブ「いつか帰るところ」
2025年8月1日(金)にセカンドワンマンライブ「道標」
の開催を発表しています。
ボーカル五十嵐の勢いのある歌唱にロックを感じます。
また、「正統進化型」と自称するように、イントロの長い曲が敬遠される現代においてもイントロや楽器のソロを取り入れた楽曲が印象的な一押しのロックバンドです。
↓2025年4月23日リリースの新曲【ロールシャッハの数奇な夢】については別記事で考察しています。

悪食 の基本情報
悪食 の基本情報は以下の通りです!
楽曲名:悪食
アーティスト名:PompadollS
発売日:2024年11月2日(配信リリース)
ジャンル:Jポップ・Jロック
収録アルバム:P.S.(EP)
作詞:五十嵐五十
作曲:五十嵐五十
作詞作曲をボーカルの五十嵐五十が担当しています。
「悪食」というタイトルの意味|無自覚な悪のメタファー
ここからは曲名「悪食」に込められた意味を考察します。
「悪食」とは本来、「普通の人が好まないものを好んで食べること」を指します。
しかし、楽曲中ではそれが他者の夢や努力を搾取し、消費する行為のメタファーとして用いられています。
歌詞を引用しつつ、「悪食」に込められた意味と歌詞の関係を考察します。
夢を食う
「お食べなさい、遠慮なんかいらないと
言われ慣れた 純粋な悪が
お菓子の家を 食い尽くしたらしいよ。」
悪食 / PompadollS
「お菓子の家」はヘンゼルとグレーテルの物語において、ふたりの「夢」です。
「遠慮なんかいらない」
と言われて育った子どもは、悪いこととも知らずに他人の夢=お菓子の家を食い尽くします。
つまり、「お菓子の家を食い尽くす」行為は、他者の夢や希望を無自覚に消費することを象徴しています。
普通では食べない他人の夢までも食べてしまうことを「悪食」のタイトルで表現しています。
希望を食う
ヘンゼルとグレーテルの物語において、「パン屑」は一縷の望みをかけた「希望」を象徴していると言えます。
「ねえヘンゼル、置いてきたパン屑を
お月様が照らしてくれない」
・・・
「大人たちが食べちゃってたみたいだ」
悪食 / PompadollS
しかし歌詞中では、パン屑(希望)が失われていく様子が描かれています。
希望であり、道しるべとなるはずであったパン屑も大人たちに食べられてしまったようです。
「悪食」には、希望を食べることの意味も含まれているようです。
『ヘンゼルとグレーテル』のモチーフ|純粋さの中に潜む危うさ
歌詞には、『ヘンゼルとグレーテル』の象徴的なモチーフが随所に登場します。
- パン屑:希望や帰るべき道の象徴。
- お菓子の家:甘美で幻想的な理想。
- 魔女:子どもを搾取しようとする大人社会の象徴。
これらの言葉を歌詞中に含めることによって『ヘンゼルとグレーテル』の物語性を借りつつ聞き手の想像力を高めます。
一方で、「童話」「子ども」そんな純粋さの象徴ですら悪になりえる、
「純粋な悪」
を歌詞を通して描くことで一見矛盾した構造を想像しやすい形で表現しています。
SNS 社会を風刺した歌詞を考察
発信を強要される時代の孤独
「黙ってないで なんか言えお前も」
そう言ったって 言うことなんてない
悪食 / PompadollS
Twitter(X)で、何に対しても噛みつき批判的なコメントをする人の姿が頭に浮かびます。
また、コメンテーターとしてテレビに出ている人も、「言うことが無い」話題に何か言うことを求められます。
この冒頭の歌詞は、SNSの発達によって誰もが「何かを言う」ことが出来るようになった功罪が描かれます。
ゴシップや炎上事、事件などに対してコメントを出さない=擁護しているとみなされたり、批判に同調する意見を求められるSNSに懐疑的な問いを投げかける歌詞であると感じました。
裁き合う社会への疑問
冒頭の歌詞に続いて、SNSで飛び交う誹謗中傷や私刑と、それに対する懐疑的な姿勢を示す歌詞が続きます。
「あいつなんか かまどの火で 焼かれて当然さ」
お前は誰、何様なんだ
悪食 / PompadollS
SNSやメディアで、どこのだれかもわからない他者から糾弾される様子が描かれています。
かまどの火という表現からはまさに「炎上」という語が連想されますよね。
「炎上して当然」そんなことをいうあなたは何様なのか?
SNS での誹謗中傷が社会問題化する現代に対する問いかけの歌詞になっています。
希望へのわずかな光
最後まで一貫して「純粋な悪」が希望を食べるストーリが展開される悪食ですが、最後に希望の道筋が示されます。
それでも 話をしようよ
悪食 / PompadollS
「純粋な悪」や、批判が渦巻く社会との対話に希望を持たせます。
悪食では、
「黙ってないでなんか言えお前も」
「黙っていたってなんも変わりゃしないさ」
これらの対話についての表現が登場します。
「おかしなことさえ、おかしなことだと気づきやしない」
そんな純粋な悪にたいして対話をすることに希望を見出し、曲は締められます。
言葉にすることで広がったこと
余談ですが・・・音楽を聴くのも、考えるのも好きで、気づけばこうしてブログに書き続けています。
最初はただの趣味でしたが、誰かと気持ちを共有できること、言葉を磨くことの面白さに惹かれて、続ける理由が増えていきました。
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「悪食」考察・解説のまとめ
曲名「悪食」から考察される多様な意味を歌詞に紐づけているのが印象的でした。
「ヘンゼルとグレーテル」の物語から、「純粋な悪」によって希望が食べられていく様子を表現しています。
また、現代のSNS社会に纏わる問題をヘンゼルとグレーテルの世界観で表現しつつ、一方で希望の道筋も描いています。
一方で歌詞の深さだけでなく、イントロのピアノや歌唱でも聴きどころを与えてくれるのが魅力名が曲であると感じました。
PompadollSの他の楽曲と併せて、ぜひチェックしてみてください!
↓2025年リリースのPompadollSの新曲【ロールシャッハの数奇な夢】については別記事で考察しています。

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