2025年3月23日、PompadollS より「ロールシャッハの数奇な夢」が配信リリースされました。
3か月連続リリースの楽曲の第3弾です。
ピアノとギターの掛け合いから始まるイントロが、いきなりPompadollSらしさを演出しています。
「私の靴は私が履き慣らす」
童話『白雪姫』や『シンデレラ』をモチーフに、自分自身の人生を自分自身の足で歩いていく意思を示す楽曲です。
ロールシャッハの数奇な夢の歌詞と、曲名に込められた意味を解説・考察していきます。
ちなみに PompadollS の読み方は ポンパドールズ です。
では早速記事に入ります。
※この記事は、音楽ファンとしての考察を記録したものです。
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PompadollS のプロフィール
PompadollS (ポンパドールズ)は、正統進化型・邦楽ロックバンドを自ら名乗るロックバンドです。
メンバーは、
ギターボーカル/五十嵐五十
ギター/青木廉太郎
ベース/サイカワタル
ドラム/但馬馨
キーボード/小松里菜
2024年1月に正式に結成し、東京を拠点に活動する新進気鋭のロックバンドです。
2025年6月28日(土)にファーストワンマンライブ「いつか帰るところ」
2025年8月1日(金)にセカンドワンマンライブ「道標」
の開催を発表しています。
ボーカル五十嵐の勢いのある歌唱にロックを感じます。
また、「正統進化型」と自称するように、イントロの長い曲が敬遠される現代においてもイントロや楽器のソロを取り入れた楽曲が印象的な一押しのロックバンドです。
↓PompadollS の人気楽曲「悪食」については別記事で考察しています!

ロールシャッハの数奇な夢 の基本情報
ロールシャッハの数奇な夢 の基本情報は以下の通りです!
楽曲名:ロールシャッハの数奇な夢
アーティスト名:PompadollS (ポンパドールズ)
発売日:2025年4月23日(配信リリース)
ジャンル:Jポップ・Jロック
収録アルバム:ロールシャッハの数奇な夢(シングル)
作詞:五十嵐五十
作曲:五十嵐五十
作詞作曲をボーカルの五十嵐五十が担当しています。
この曲は作詞作曲を担当する五十嵐が、PompadollS 結成以前に初めてPompadollSのために作った楽曲とのことです。
曲名「ロールシャッハの数奇な夢」に込められた意味
「ロールシャッハ」とは心理学で使われるインクブロット(墨痕鮮やかなシミ)を解釈する投影法のこと。
深く解説すると本旨から外れてしまうので引用します。
要するに、インクの染みが何にみえるか?という問いからその人の性格や精神状態を検査するものです。
曲中に登場する“鏡”や“靴”“魔女”といった断片的イメージを、聴き手に自由に投影させる意図が込められています。
「解釈は自由」 解釈の余地が多くある歌詞を前にして、タイトルでそのように宣言しているようにも受け止められます。
そして、「ロールシャッハ」の後に続く「数奇な夢」は、
誰もが自分の内面を投影できる場所=夢
という言葉選びであると考えます。
言い換えると、ロールシャッハテストをする実験室=夢の中 といった意味を込めていると考察しました。
このタイトルが聴き手に示唆しているのは、「物語の定型」を一度バラバラにして、自分だけのストーリーを再構築しようという挑戦です。
歌詞中では「物語の定型」がたくさん登場します。
しかし、一側面的な解釈方法にこだわらず、自由に”自分自身を解釈”して生きていく!そんなメッセージを感じます。
歌詞考察①:童話モチーフの“解体と再構築”
歌詞の冒頭から「ガラスの靴」「継母と娘」「フェアリーゴッドマザー」が並び、ディズニーの「シンデレラ」像が提示されます。
しかし…
箸にも棒にも 微妙に引っかかるから
ガラスの靴の最終選考 結果を待っている
PompadollS / ロールシャッハの数奇な夢
曲の入り一番最初の一節では、ガラスの靴が似合うかどうか選考結果を待つ様子が描かれます。
一般的なシンデレラは“似合った”から幸せを掴みますが、この歌詞では”似合わない”のではないか。
そんな不穏さを感じるイントロの歌詞です。
その後、
「おまえに靴は似合わない」
そうフェアリーゴッドマザーに言われ、シンデレラの原作が解体されていきます。
歌詞考察②:棄てられた犬と魔女が意味するもの
歌詞中では、犬や魔法使いが自分のもとを去っていく様子が描かれます。
棄てられた犬は 懐かなきゃ意味がない
去りゆく魔法使いが 舌をもつれさせ 光る【それ】を
フェアリーゴッドマザーが消えた
PompadollS / ロールシャッハの数奇な夢
物語「シンデレラ」において 魔法使い=フェアリーゴッドマザー はガラスの靴やドレスを与え願いをかなえてくれる存在です。
そのフェアリーゴッドマザーが消えたという描写は、救ってくれるはずの存在に見放されていることを示していると考えました。
そして、
舌をもつれさせ 光る【それ】を
この歌詞が秀逸だと感じました。
魔法使いが去る前に、呪文を伝えようとしたが舌をもつれさせてしまい、、、
光る【それ】=魔法 を伝えることが出来ずに去ってしまう様子が描かれていると考えました。
要するに、
魔法使い(フェアリーゴッドマザー)が消えた = 魔法のように与えられる奇跡や救済には頼れない
そんな現状を示していると考えました。
歌詞考察③:魔法の否定と自己肯定
歌詞後半、「毒林檎を噛み潰す」「カボチャの馬車を踏み潰す」と、魔法の産物の象徴が“否定”されていきます。
前段とも関連深いですが、どちらも 魔女が生み出したものの象徴 を否定していますよね。
フェアリーゴッドマザーがたとえ 消えても
私の靴は私が履き慣らす
PompadollS / ロールシャッハの数奇な夢
こここそが曲の核心であり、パンチライン。
「魔法(支援)がなくとも、自分の力で歩いていく」と高らかに宣言しています。
無意識に期待している誰かの助けに頼ることなく、自分自身で道を切り開いていくぞ!
そんな現実的な決意を私たち聴き手に促す一節に感じました。
発信することで深まる音楽の世界
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解説・考察のまとめ:魔法に頼らず自分の足で歩いていく
「ロールシャッハの数奇な夢」は、童話の定型を覆しつつ、自分自身の足で人生を歩いていくことをメッセージとした前向きな楽曲です。
童話のように魔法をかけてくれる人がいつか現れてくれるのではないか?
そんな幻想を否定し、自分の力で切り開いていく必要がある。
聴き手に現実を示しつつ、背中を押すような終盤の歌詞が魅力的です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
↓PompadollS 「悪食」 について別記事で考察しています!

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