2024年12月15日、No No Girls (通称:ノノガ)より、オーディションの課題曲であるTigerが配信リリースされました。
No No Girls のオーディションでちゃんみなは、自分をさらけ出す表現をすることを受講生に求めていました。
「Tiger」はそんなオーディションにぴったりの本能むき出しな虎をモチーフにした楽曲です。
本記事では、「Tiger」の歌詞に込められた意味を深く掘り下げながら、曲名の「Tiger」に込められた意味と、歌詞の根底に流れる意図を考察します。
No No Girls”ノノガ”のプロフィール
No No Girls”ノノガ”のプロフィールについて簡単に解説します。
No No Girls は、音楽プロダクションBMSGを率いるSKY-HIがヒップホップアーティストのちゃんみなとコラボし、ちゃんみながプロデュースしたオーディションです。
GIRLS GROUP AUDITION PROJECT 2024 “No No Girls” を経て、HANAというグループ名で活動していくことが発表されたノノガのオーディションですが、オーディション中の楽曲等は No No Girls 名義で配信リリースをされています。
なお、No No Girls のオーディションを経て結成されたHANAのプレデビュー曲「Drop」については下記の記事で解説しています!

Tiger の基本情報
Tiger の基本情報を以下の表にまとめました!
楽曲名 | Tiger |
アーティスト名 | No No Girls |
発売日 | 2024年12月15日(配信リリース) |
ジャンル | Jポップ |
収録アルバム | Tiger(シングル) |
作詞 | ちゃんみな・JASMINE |
作曲 | Ryosuke “Dr. R” Sakai |
作詞で参加しているJASMINEは2013年にファーストシングルをリリースして以来、現在に至るまでR&Bの前線を走るアーティストです。
2025年の3月26日にもDJ PMX のビートに GADORO と乗った楽曲「On The Way」をリリースしています。
作曲の Ryosuke “Dr. R” Sakai はノノガのプロデューサーであるちゃんみなの代表曲「美人」や「Never Grow Up」等の作曲にも携わっているビートメーカーです。
曲名「Tiger」に込められた意味を考察
初めに、曲名の「Tiger」に込められた意味を考察します。
まず注目すべきは、タイトルであり歌詞中でも繰り返される「Tiger(虎)」というワードですよね。
「Tiger(虎)」が象徴する二つの意味について、歌詞と関連させて考察してみます!
王者の象徴
「虎は強いもの」そんなイメージはみなさんお持ちかと思います。
そのイメージに違わず、虎は中国では百獣の王と呼ばれ古来から「力と大胆さ、そして畏怖と恐怖の対象」という象徴を持っていたそうです。
百獣の王と呼ばれる虎を曲名に用いた理由を考えます。
「吠えろTiger」「I’m gonna bite you」で、虎を印象づける表現を繰り返しつつ、
待ち望んでたこの時、声、世界中に
全員連れてけ
Tiger / No No Girls
王者として、大衆を引き連れてより大きな世界へと突き進んでいく様子が表現されています。
虎は王者の象徴として、力や自身を表現しています。
しかし、虎が表現するのは王者としての強さだけではありません。
抑圧された感情や解放される必要がある感情の象徴
虎は王者としての強さのみならず、抑圧された感情や解放される必要がある感情の象徴でもあります。
夢心理学では、虎は抑圧された感情や解放される必要がある感情を象徴している、と考えられるそうです。
また、自身が十分に認識していない内なる強さも象徴していると言います。

この曲における“Tiger”は、まさに内面に潜んでいた本来の自分=強く、しなやかで、誰にも支配されない存在の象徴です。
「吠えろTiger」という歌詞には抑圧されてきた怒りや感情を開放する意味が込められていると考えました。
というのも、No No Girls というオーディションは、過去に突き付けられた「No」をテーマにしたオーディションです。
Noを突き付けられ、抑圧されていた感情を開放する。そんな意味が曲名のTigerに込められていると感じました。
インド神話より、怒りの象徴
深読み過ぎな考察もしてみます。
インド神話において、虎は怒りの象徴でもあります。
ヒンドゥー教の女神「ドゥルガー」は外見はとても美しい神です。
しかし一方で「恐るべき戦いの女神」と評される、内側にパワーを秘めた女神です。
この女神の乗り物(ヴァーハナ)が虎です。
戦いの女神が乗っていたことから虎は怒りの象徴とされているそうです。
「内側にパワーを秘めた」という点は、No No Girlsのコンセプトにぴったりではないでしょうか。
オーディション中、ちゃんみなはそれぞれのメンバーの内側の部分をみたがっているやりとりが多くありますよね。
それぞれのメンバーの内側にあるパワーを開放してほしい、そのような意図からTigerという曲名を選択されたのかもしれませんね。
Tiger の解説・考察
ここからは曲の流れに沿って、Tiger の歌詞を解説・考察していきます。
「Ay yo behind you now」から始まる警告:誰に向けられたものか?
Ay yo behind you now
Oh yeah you best watch out
I’ll find you if you come around
Tiger / No No Girls
楽曲冒頭から放たれる「Ay yo behind you now」で一気に曲に引き込まれます。
曲のタイトルがTIger であるだけに、獲物の背後に忍び寄る虎を連想させる緊張感のある歌詞から入ります。
「I’ll find you if you come around」
つまり、また来たら必ず見つけ出す!
少し意訳ですが、縄張りに侵入された獣のような攻撃性を感じます。
さらに続く歌詞は、
逃さないわ
忘れさせない
Oh you know I can hunt you down
Tiger / No No Girls
獲物を追うハンターの気迫と、過去の出来事を「忘れさせない」ように復讐心を燃やす様子が伝わってくる歌詞です。
「Oh you know I can hunt you down」
そして、いつでもお前を狩ることができる、と自信をのぞかせます。
ここで語られているのは、過去に傷をつけた“誰か”への警告かもしれません。
No No Girls のオーディションは過去に突き付けられた”No” がテーマになっています。
過去に突き付けられたNOへの復讐 そのようなテーマが感じられる曲の入りです。
サビの「吠えろTiger」=感情の解放と覚醒の瞬間
吠えろTiger baby I お前の後ろにtiger watch out
I am a tiger like この声が 聞こえるなら
I’m gonna bite you baby 気をつけろrun away
Tiger / No No Girls
この曲の核となるのが、サビの「吠えろTiger baby I」です。
これは内面から湧き上がる“感情の咆哮”であり、“もう我慢しない”という覚醒の瞬間であると考えます。
先述したように、No No Girls のコンセプトは過去に突き付けられた”NO”です。
今まで自身の内面にため込んできた感情や、それに伴う我慢を咆哮と共に開放する瞬間です。
「この声が聞こえるなら I’m gonna bite you baby」
この“声”とは、外に放たれる叫びであり、同時に内面にため込んでいた「本当の自分の声」でもあります。
このように考えるとここで語られている“bite(噛みつく)”という行動は、過去の復讐としての攻撃の意味に加えて、本当の自分を解放する瞬間とも捉えられますよね。
「窮鼠猫を噛む」なんて言葉がありますが、今までNOを突き付けられてきた窮鼠(弱者)が、猫を噛む、そんなカウンター・復讐のストーリーを感じさせられるサビです。
「反抗的で 可愛くないなんて」=社会や誰かの“抑圧”へのリベンジ
いつだって反抗的で
可愛くないなんてyeah
そうやって見逃していて
馬鹿らしいわ
Tiger / No No Girls
「いつだって反抗的で、可愛くないなんて」
この一節には、反抗的な人や自分の意見を強く持つ人に対する“社会の押しつけ”が表れています。
「おとなしくしていれば可愛い」「出しゃばらない方がいい」そんな言葉で、おしとやかさや淑女であることを求められていることを表現しています。
しかしそんな“社会の押しつけ”に対して、「そうやって見逃していて 馬鹿らしい」と一瞥します。
見逃していて、とは、
- 自分の意見を見逃していた自分自身
- 自分の存在をないがしろにしてきた他人
両方に向けられた言葉であると考えました。
ちょっとした攻撃が痛かったなんて
笑っちゃうわ
今こそ始まったこのrevenge
絶対無駄にしない
Tiger / No No Girls
「ちょっとした攻撃が痛かったなんて笑っちゃうわ」
ちょっとした反抗に対するリアクションを「笑っちゃう」と一蹴し、さらなるリベンジをすることを誓います。
反撃するなら徹底的にやる、「無駄にしない」という歌詞からは惜しみなく反撃をする覚悟を感じますよね。
この「revenge(復讐)」には、
- 奪われていた自身
- ないがしろにされたプライド
を取り戻す、という意味を込めた復讐であると解釈しました。
「何十万人いるんだ一体」=内面の叫びが、共鳴を生む
Oh yeah 何十万人いるんだ一体
旗を上げてpump up
一体何百万人増えた
待ち望んでたこの時、声、世界中に
全員連れてけ
Tiger / No No Girls
曲の後半で、「何十万人」「何百万人」というスケール感のあるフレーズが登場します。
これは、自分だけでなく、同じようにさまざまな”NO”を突き付けられてきた人たちの存在を象徴しています。
個人的な歌ではなく、大衆を巻き込んで連れていくようなおおきなスケールを感じる歌詞です。
それぞれの歌詞が聴き手の内面に届き、共鳴していくことを意識している歌詞であると感じました。
ラストの反復:「Cuz I’m a tiger」に込められた静かな確信
曲のラストは、「Cuz I’m a tiger」という一文で締めくくられます。
あとに残された余韻と相まって、
「だから私は虎なんだぞ」
と静かに、力強く自信を持って言い聞かせるような印象を与えます。
聴き手それぞれの内面に潜む”虎”を呼び起こすような印象的なフレーズですよね。
「辛い事全部乗り越えた」ことによってもたらされた自信と、内面を解放して吠える自分自身が、自身が虎であることの裏付けになっています。
「Cuz I’m a tiger」
にはそんな裏付けに基づく確信めいた自信と、静かながらもこれからの復讐を誓う力強さが込められています。
まとめ:「Tiger」が伝えるメッセージ
Tiger は今までさまざまな”NO”に直面してきたHANAのメンバーそれぞれ自身の内面を表しつつ、聴き手も連れて復讐していくストーリーを感じる楽曲です。
どこかで心を押し殺し、我慢してきた自分自身を解放させる、虎のように咆哮する。
今までの”NO”に屈していた日々に別れを告げる第一歩となる楽曲です。
あなたの中にも、きっと“虎”は眠っている、復讐を今から始めるぞ、そんなメッセージを感じました。
No No Girls のオーディションではその名の通り”NO”を突き付けられた経験がキーワードになっています。
オーディションメンバー自身の内面を開放する、そんな意図をもって作曲したであろうちゃんみなの意図も感じますよね。
HANAとしてTigerをリリースするかどうかはわかりませんが、NOを克服していく象徴として彼女らがどのような活躍を見せていくのか、楽しみです!
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