緑黄色社会『PLAYER1』を考察・解説:現代を生きる“主人公”たちへ届けるメッセージ

Horizontal Line
緑黄色社会『PLAYER1』を考察・解説:現代を生きる“主人公”たちへ届けるメッセージ 曲の考察・解説

2025年2月16日、緑黄色社会から新アルバム「Channel U」がリリースされました。
Channel U の一曲目に収録されている「PLAYER1」について、考察・解説していきたいと思います。

緑黄色社会 の基本情報

緑黄色社会は、愛知県出身の4人組バンドです。

メンバーは、ボーカル・ギターの長屋晴子、ギターコーラスの小林壱誓、キーボード・コーラスのpeppe、ベースコーラスの穴見真吾です。

特徴は何といってもボーカル長屋晴子の力強い歌声。

メンバー4人それぞれが曲を作れることを生かした多様な楽曲の数々も魅力のバンドです。

2012年に高校の軽音楽部で結成。

2018年リリースのEP「溢れた水の行方」でメジャーデビューをしています。

2022年には日本武道館公演、2022~2024は3年連続紅白歌合戦に出演と、急激に知名度を高めていきました。

その間も2022年に「Actor」2023年に「pink blue」そして2025年に「Channel U」と精力的にアルバムをリリースしており、着実にステップアップしているアーティストと言えます。

PLAYER1 の基本情報

リリースはいつ?

PLAYER1 は2025年2月16日にリリースされたアルバム「Channel U」に収録されています!

緑黄色社会 | Channel U
New Album『Channel U』2025.2.19 OUT

アルバム「Channel U」 の収録曲

PLAYER1は、Channel U の一曲目に収録されています。

Channel U のアルバム名は、channel の語源であるcanal=川、水路、から派生し”何かをと何かを繋ぐ道”という意味が込められていると言います。

また、音楽を届ける”電波”の意味でもchannel=チャンネルを使用しているとのことです。

「緑黄色社会の必聴アルバムを作りたい」その言葉通り、緑黄色社会の多様なチャンネルを表現するアルバムです。

その一曲目、PLAYER1についてさっそく解説・考察していきます。

PLAYER1の解説・考察

これから先、考察を深めていきますが前提としてPLAYER1はゲームを現実世界の隠喩として用いています。

タイトルのPLAYER1はもちろん、「人生GAME」「バフ」「トップランカー」などゲームに関連したワードが散りばめられています。

ゲームの主人公に喩えた自分自身は、現実世界では人生の主人公です。

主人公が限界を超えていく、現実世界を生きる主人公である私たちへのメッセージがPLAYER1には込められています。

さっそく考察・解説に入ります。

曲名 PLAYER1の考察

そもそも曲名である PLAYER1にはどのような意味が込められているのでしょうか。

PLAYER1がゲームを隠喩としているのではないか、その点については先ほど少しだけ触れました。

それを前提とし、以下の2つの考察を展開します。

  1. ゲームの1プレイヤー目(主人公である)
  2. 人生GAMEの孤独な挑戦者

ゲームの1プレイヤー目(主人公である)

ゲームだとプレイヤーを1P、2Pのように人数に応じて呼びますよね。

PLAYER1はつまり、1P=最初に自身として操作を開始するプレイヤーです。

1Pはゲーム内の物語の主人公ですよね。

人生をゲームに喩え、そのゲームの PLAYER1つまり主人公であることを示した曲名であると考察できます。

人生GAMEの孤独な挑戦者

また PLAYER1の1には、ひとりつまり孤独な挑戦者であるという意味も込められていると考えます。

皆さんご存知のとおり自分の人生は自分にしかプレイできませんよね。

曲名が「PLAYER」ではなく「PLAYER1」であるのは、1=ひとりであることを示す意味もあると考察できます。

人生をゲームに喩えることのメッセージ

PLAYER1はゲームがモチーフだというのはここまでの考察の通りです。

ここからはゲームをモーチーフとして、PLAYER1が聴き手に伝えたいメッセージを考察します。

  1. 限界突破を超えて成長する姿勢
  2. 絶体絶命こそ限界を超えるチャンス

限界突破を超えて成長する姿勢

PLAYER1は冒頭、「限界突破したいならこの歌に乗っかれ」「100%以上のもっとその先へ」

ともに、限界を超えていく意味の歌詞です。

ゲームや、アニメの主人公は限界を超えて成長し、壁を越えていくものですよね。

限界突破したい人へ、のメッセージを明らかにしつつ聞き手の主人公感を演出する歌詞に感じられます。

絶体絶命こそ限界を超えるチャンス

ゲームやアニメの主人公は、絶体絶命に追い込まれたときに力を発揮し逆境を切り拓いていくものですよね。

その様子を歌詞で表しています。

どうしようもないほど土壇場

攻めの姿勢でバフかけろ

詰んだと見せてから正念場

PLAYER1/ 緑黄色社会

土壇場、つまり絶体絶命に追い込まれた状況でもそこが正念場であることを伝えます。

「攻めの姿勢でバフかけろ」の”バフ”とは、ゲームでよく使われる言葉で、キャラクターの能力を向上させることを意味します。

PLAYER1のテーマ、「ゲーム」と、絶体絶命の場面でバフをかけ限界突破していく様子がマッチしていますね。

また、絶体絶命こそ限界を超えるチャンスであることをさらに的確に表すのがサビ冒頭の歌詞です。

「絶体絶命ってチャンスなんじゃないの?」

サビ冒頭なだけあって、曲自身のメッセージに直結する歌詞であるとかんがえています。

絶体絶命こそ限界を超えるチャンス、つまりこの見出しで解説したピンチがチャンス的な思考を明らかに表現しています。

また、、絶体絶命って(限界突破する)チャンスなんじゃないの?

そんな言葉が隠れているように考察でき、限界を超えて成長していく姿勢も表現されています。

PLAYER1に使用されているゲーム用語の解説

その他にも、PLAYER1にはゲームがテーマであることを印象づける言葉・フレーズが多用されています。

それぞれ解説します。

  • HP
    「擦り切れたHP」という表現で使用されています。
    HPつまり「Hit Point」はプレイヤーの体力を表します。
    歌詞中では体力が限界に近付いていることを表しています。
  • 人生GAME
    言うまでもありませんが、人生をゲームに喩えていることを明らかに表現した詞ですね。
  • バフ
    プレイヤーの能力を向上させることです。
    歌詞中では絶体絶命の状況で主人公が”バフ”を書けることを表現します。
  • バグった
    今やかなり人口に膾炙した表現ですが、もとはゲームなどを構成するプログラムがもととなった表現です。
    バグ(bug)はプログラムの欠陥やそれによって起こる不具合を表します。
    歌詞中では「頭ん中バグったように軽い」で、頭の中がおかしいくらい(異常なくらい)軽いことを表現しています。
  • トップランカー
    オンラインランキング等があるゲームで、常に上位に位置し続けるプレイヤーのことを言います。
    歌詞中では「諦めの悪さは先天的トップランカー」と表現されており、生まれつきトップレベルで諦めが悪いことを意味していますね。
  • フラグ
    ゲームだけでなく、映画や小説などの物語でも多用される表現です。
    「伏線」と言い換えるのが適切かと思います。
  • EZ
    easy をスラング化したもので、ネットゲームのチャット等で多用されます。
    楽勝・余裕、それくらいの意味を持ちます。
  • GG
    グッドゲームのスラングです。EZと同様ネットゲームのチャット等で使用されます。
    言い換えが難しいですが、対戦ゲームの終了後対戦相手やチームメイトをねぎらう意味で使われます。
  • ハードモード
    こちらももはや説明不要ですが、ノーマルより難しいゲームの難易度のことを言います。
    歌詞中では、難しい人生をハードモードと表現しています。

PLAYER1の感想

舞台をゲーム、聴き手を主人公として設定した没入感のある楽曲でした。

ゲームの舞台設定のために使われるEZやGGなどのスラングは現代的で、現代に生きる我々聴き手のいる世界を反映しているようでした。

現代を生きる主人公たちへ、限界を超えて成長する姿勢と、絶体絶命こそ限界を超えるチャンスだと熱く伝えるメッセージのある楽曲です。

あわただしく生きる現代人、絶体絶命・ピンチの時こそ限界を超えるチャンスだとポジティブな思考にさせてくれる楽曲です!

コメント