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羊文学「春の嵐」歌詞考察|痛みを抱えても、私はまた春を迎える

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羊文学「春の嵐」歌詞考察|痛みを抱えても、私はまた春を迎える Jポップ

2025年6月18日、羊文学より「春の嵐」がリリースされました。

春といえば出会いの季節。幸せで温かい新緑のイメージがあって。
そんな幸せな春に気後れするあなたへお勧めしたい一曲です。

この楽曲は、華やかな春の裏側にある「取り残された心」を描いた作品です。
目まぐるしく流れていく世界と、自分の中に残り続ける痛み。
それでも何度でも「生き直していく」姿を、繊細な言葉と感情の波で表現しています。

この記事では、歌詞の言葉や構造に基づいて、「春の嵐」が伝えるメッセージを深く考察していきます。

※当サイトでは、音楽を聴いて感じたことを個人で考察・発信しています。
読者の皆さんにも、新たな視点や楽しみ方が届けば幸いです。

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羊文学 のプロフィール

羊文学 は2011年にボーカルの塩塚モエカが中心となって結成したオルタナティブロックバンドです。

20017年から現メンバーで活動しています。

  • ボーカル・ギター:塩塚 モエカ
  • ベース:河西 ゆりか
  • ドラム:フクダヒロア

2020年にシングル「砂漠のきみへ/Girls」でメジャーデビューしています。

そこからTVアニメ「呪術廻戦」『渋谷事変』のエンディングテーマ「more than words」や、「1999」「光るとき」が大ヒット。

日本を代表するシューゲイザーのバンドと言えます。


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「春の嵐」の基本情報

楽曲「春の嵐」の基本情報を整理しておきます。

  • 楽曲名:春の嵐
  • アーティスト名:羊文学
  • 発売日:2025年6月18日(配信リリース)
  • ジャンル:Jロック
  • 収録アルバム:春の嵐(シングル)
  • 作詞:塩塚モエカ
  • 作曲:塩塚モエカ 

2025年9月にアジアツアー「Hitsujibungaku Asia Tour 2025”いま、ここ(Right now, right here. )”」の開催が発表されており、2025年10月8日には新アルバムの発売も発表されています。

そんななか突如発表された楽曲「春の嵐」

ライブではどんな音色なのか楽しみです。

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タイトルの意味――「春の嵐」とは誰の感情なのか?

“春の嵐”という言葉には、気候的には温暖な季節の中に突然吹く強風や雨を意味する側面があります。
しかし、この曲で描かれている「春の嵐」は、外の天気を示すのみではありません。

内面に吹き荒れる感情の嵐も示しています。

暖かな部屋の中逃げ込んだ

モニターの奥の世界は無限

春の嵐 / 羊文学

ここで語られるのは、外の世界に出ることを避け、モニター越しに広がる“無限の可能性”へ逃避する「私」の姿です。

春の光が差し込む部屋の中にいながら、心は縮こまっている。変化を怖がっているのでもなく、ただ動けない。

そんな様子が描かれています。

「春=前向き」というイメージに対するアンチテーゼとして、この曲は始まっているのだ。

誰にもなれないまま、同じ春を繰り返す

あの人になれないままで私

去年と同じ春を迎えてる

春の嵐 / 羊文学

「あの人」が誰なのかは語られません。おそらくSNSで輝いて見える同世代や、うまく人生を進めている近くの誰かを想像しているのかもしれません。

“自分以外の誰か”が持つ「正解」に追いつけない自分を感じながら、同じ季節を、同じ場所で、ただまた迎えてしまった。

このフレーズには、時間が前に進んでいく世界と、そこに取り残された自分という構図がにじみます。

存在の証明をどうやってしていいか

わかんないが苦しいよ

今、この胸は苦しいよ

春の嵐 / 羊文学

「存在の証明」という重たい言葉が登場します。

それは、人に認められることや成果を出すことだけでしか、自分の価値を信じられなくなっている証でもあります。

生きていることすら、正当化できなくなるほどの“見えない苦しみ”が表現されています。

本音も見失って、言葉だけを追いかけている

かっこつけるのにも飽きて

いまさら本音もなくって

空っぽな頭に浮かんだ言葉を追いかける

春の嵐 / 羊文学

この部分にあるのは、「自分らしさ」の迷子状態
本音を言うタイミングも逃し、ただ何かを言葉にしているふりだけが残っています。

「空っぽな頭に浮かんだ言葉」という表現は、SNSで取り繕うようにして発信する言葉や、誰かの真似をするだけの発言のようにも感じます。

本音ではない口だけの発言が連想されます。

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私は手放してしまった、大切な時間を

わたしはきっと手放した

あんな欲しかった時間を

春の嵐 / 羊文学

ここで語られる「欲しかった時間」とは、夢に向かって努力していた日々、希望を持っていた自分の時間かもしれません。

でもその時間は、いつのまにか手からこぼれ落ちてしまいます。

誰かが煌めいて生きてる

痛い、痛い、痛い、痛い、痛い

わたしは心が痛い

春の嵐 / 羊文学

この“痛い”の5連打には、言葉では到底表現できない感情の混濁を感じます。

羨望、後悔、無力感――そのすべてが重なって、ただ「痛い」としか言えない。

この場面は、「自分の人生」と「他人の人生」の対比の中で、自分の中身の空虚さを暴かれてしまう瞬間のようでもあります。

帰ってもいい場所を探しながら、私は生きていく

雨降り、傘のない夜に

帰ってもいい場所知りたい

春の嵐 / 羊文学

ここで初めて出てくる“帰る場所”というテーマが登場します。

それは物理的な場所というより、“心から安心できる場所”“誰かに受け入れてもらえる場所”のことであると考えられます。

腐ったって生活は続いてく

それを選んだ自分の

面倒は自分しか見れないのが寂しいよ

春の嵐 / 羊文学

このリアルすぎるフレーズには、自己責任社会の残酷さと、自分自身への諦めが見てとれます。

「自分で選んだ道なんだから」と言い聞かせながらも、誰かに頼りたくてたまらない。

その気持ちを吐き出せず、結局自分は自分でしか立て直せない様子が伝わってきます。

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自分の傷を受け入れて、もう一度“生き直す”

まあいっかなんて笑って

片付けたつもりでずっと

心の奥深く、息を潜めてまだ残ってる

春の嵐 / 羊文学

過去の痛みは、簡単に忘れられられません。

忘れたふりをしても、気づけばまた同じ痛みに引き戻されてしまう。

いつまでたっても片付かない寂しさが消えません。

わたしはそれを取り出して

涙でまた水をやって

ありがとうって抱きしめてやる

そこからもう一度生きてく

春の嵐 / 羊文学

ここがこの曲の核心です。

過去を“なかったこと”にするのではなく、“ありがとう”と抱きしめて、自分の一部として受け入れる。

それは、痛みを栄養にして生きるという、優しくて強い覚悟の表明です。

生きるとは、ただ前向きになることだけではありません。

過去を否定せずに、抱えて進むことなのだと、羊文学は伝えてくれています。

それでも私は、また春を迎える

そんな日々 繰り返していくだけ

この話の再放送はまた、次の春?

春の嵐 / 羊文学

最後の問いかけは、どこか達観したようでいて、切なさを帯びています。

“結局また同じような春が来て、また同じように傷つくのかもしれない”――それでも、またその春を迎えるために、今日を生きるという決意がにじみます。

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再放送のような人生でも、私は今日も生きる

羊文学「春の嵐」は、春を前向きに生きることができない私たちのための歌です。

変化に乗り遅れたような気がしても、焦らなくていい。
過去にしがみついてしまっても、恥ずかしくない。
前に進むことだけが人生ではない。
自分の弱さを認めることは、何よりも強い一歩だから。

この春を生きるあなたへ。

アンビバレントな感情を抱えるあなたへおすすめの一曲でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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