梅田サイファー『ウルサイレン』の意味を解説・考察 ~炎炎ノ消防隊参ノ章や過去曲との関連も~

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梅田サイファー「ウルサイレン」の解説・考察 Jヒップホップ

アニメ「炎炎ノ消防隊 参ノ章」第1クールのEDテーマ、「ウルサイレン」が2025年の4月2日にリリースされました!

過去の楽曲との関連や、梅田サイファーの「ラップオタク」ぶりが垣間見える、聴きごたえのある楽曲でした。

ウルサイレンに込められた意味や歌詞の内容について解説・考察していきます!

また、アニメや過去曲との関連についても取り上げます!

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梅田サイファーのプロフィール

梅田サイファーは大阪、梅田駅の歩道橋に集まりサイファーをしていたメンバーから派生したヒップホップクルーです。

グループとして結成されているわけではないため、メンバーも流動的です。

しかし、中心となって活動しているメンバーは現在13人です。

KOPERU, R-指定, KennyDoes, テークエム, KZ, peko, KBD, teppei, ILL SWAG GAGA, コーラ, Cosaqu, HATCH, DJ SPI-K

それぞれがバトルやDJ、そしてアートワークに至るまでそれぞれのメンバーが質の高い活動をしています。

Creepy Nuts の活動でR-指定が注目されがちですが、コッペパンとしてR-指定とユニットを組んでいたKOPERUは現在MCバトルにも出場しスキルを見せつけています。

また、KennyDoesテークエムはR-指定よりもラップが上手いと評されることもあるスキルフルなラッパーです。

梅田サイファーの曲を聴けばわかるそれぞれの圧倒的な個性が魅力のグループです。

そんな梅田サイファーは2023年にソニーからアルバム「RAPNAVIO」でメジャーデビュー、翌年には第二弾となるアルバム「Unfold Collective」をリリースしています。

その他、キングオブコントののオープニングテーマ曲を担当するなど着実に世間の知名度を高めていっている、スキルフル集団です!

プロフィール | 梅田サイファー | ソニーミュージックオフィシャルサイト
ソニーミュージックによる梅田サイファー公式サイト。梅田サイファーの最新ニュースやリリース情報、ビデオ、ライブ・イベント出演情報、メディア情報などを掲載。

ウルサイレンの基本情報

ウルサイレンの基本情報を以下の表にまとめました!

楽曲名ウルサイレン
アーティスト名梅田サイファー
発売日2025年4月4日
ジャンルJヒップホップ・Jポップ
収録アルバムウルサイレン(シングル)
作詞peko, KOPERU, テークエム, KennyDoes, ILL SWAG GAGA
作曲Cosaqu, D.O.I

印象的なのは、KennyDoesが他の曲よりゆったりビートに乗っている点です。

韋駄天S**t に代表されますが、最近はかなりタイトに細かく早口でラップをしている印象でしたが、速さ一辺倒ではないところを見せつけに来た、と感じました。

ビートは、ハイハットが2拍目と4拍目に入り、ハイハットが刻まれるトラップ系のビートです。

変則的に打たれるキックが低音に響き、グルーブを演出しています。

曲名:ウルサイレン の意味を考察

「ウルサイレン」=「うるさい」+「サイレン」

この造語は、「爆音」=「うるさい」の音楽を「サイレン」のように町中に鳴らし続ける様子を示していると考えられます。

また、炎炎ノ消防隊のEDということで、消防=サイレンとも関連付けられています。

そのほか、ヘイターへの言及もあることからそういったヤジに対する警告の意味でもサイレンの語を使用していると考えられます。

深読みをすると、ギリシャ神話に登場する「サイレン」は、歌声で船乗りを誘惑し難破させる伝説の人魚です。

歌とラップの違いこそあれ、楽曲で誘惑する、という点において意識して使われている可能性を感じます。

テーマ①:批判や雑音に屈しない精神

ここからはウルサイレンの楽曲のテーマについて考察していきます。

一つ目のテーマだと考えたのは「批判や雑音に屈しない精神」です。

それぞれのメンバーのバースに、「雑音」や「批判」などヘイターからの野次についての描写が含まれています。

確実に、ウルサイレンのメインのテーマの一つです。

ヘイターに対するそれぞれの考えが個性として表れています。

それぞれの批判についてのバースを引用しつつ解説します。

peko

顔も見せず小賢しい

ヘイターのヤジ 耳障り

掻き消すほど鳴らしてやる

俺ら歌えば起きる騒ぎ

ウルサイレン / 梅田サイファー

SNSが発達した現代において、野次は時に顔の見えない相手からも飛んでくるものです。

そんな「耳障り」なヘイターの野次をかき消すほど鳴らしてやる、そう歌います。

野次をかき消すほどの歓声をおれらの音楽で起こしてやる、そんな熱い炎がクールな声の背景に隠れているようなバースです。

peko のおすすめ楽曲については別記事で紹介しています!

梅田サイファー peko のラップをもっと聴きたい人におすすめ!peko のおすすめ曲5選【曲紹介】
最近梅田サーファーにはまって、peko のラップが気になった!もっと聴きたい!そんなあなたに、peko のおすすめ曲を紹介させていただきます!

KOPERU

いつまで言うてたら気が済むんや

黙れカス俺らのお通りだ

静かに耐えてばかり飽きてきた

ウルサイレン / 梅田サイファー

KOPERU のここまでバチバチなバースは珍しいと感じました。

最近でもMCバトルに出ているKOPERUですが、音楽性を見せつけるスタイルであって、楽曲でここまで激しいバースを聴けると嬉しいですね。

批判に対して「カス」、そして「静かに耐えてばかり飽きてきた」とここからバチバチのバースをさらに聴かせてくれそうな期待も感じるバースです。

その後に登場するワード

「Pump up the volume」

は、恐らくM/A/R/R/S の唯一の楽曲「Pump Up The Volume」からのサンプリングです。

こちらはジャンルとしてはハウスに分類される楽曲です。

その直後に登場するバースは、

「lord have mercy」

という語が登場します。

一般的な訳は「神の御慈悲を」など憐れみを示す言葉です。

キリスト教の影響を受けたゴスペルや、Flipmode Squad の元メンバー lord have mercy などざまざまな引用元が考えられます。

この二つの引用から、ヘイターにはない音楽的な教養やそれに裏打ちされたスキルを見せつける意図があると感じました。

テークエム

くだらない雑音 耳貸さない

ウルサイレン / 梅田サイファー

テークエムはバースの入りでひとこと言い切り、その後は爆音で騒ぐぞ!のスタイル。

そんなさっぱりした感情をヘイターに向けているようです。

また、後半のバースでは、

「もういらないぜ お前らのお墨付き」

ヘイターの評価にこだわらず、広い視点を持って音楽をしていくことを示しています。

KennyDoes

「デカい音で逆に消すサイレント」

自分たちの音楽でヘイターのヤジを黙らせる、という意味の言葉をおしゃれに言い換えています。

サイレントとサイレンの韻はシンプルですが、おしゃれに意味を通して踏んでいます。

ILL SWAG GAGA

撒き散らされたヤジただのノイズ

かまへん増えてく俺らの取り分

ウルサイレン / 梅田サイファー

ヤジを”ノイズ”=不快な雑音であると一蹴します。

そのうえで、梅田サイファー自身の楽曲「かまへん」を引用し、自身の取り分を増やしてくことを誓います。

ちなみに、ILL SWAG GAGAは「かまへん」で借金と儲け話について歌っています。

ヘイターのヤジに関わらず、儲けてやる、そんなILL SWAG GAGAらしいバースです。

テーマ②:音楽を鳴らし続け、より遠くまで届ける

ウルサイレンの二つ目のテーマとして、「音楽を鳴らし続け、より遠くまで届ける」が挙げられます。

サイレンは、音を大きくし、遠くに届ける効果を持ちます。

うるさい+サイレンは、梅田サイファーの音楽を爆音で世界中に届ける、そんな意思を感じました!

メンバーそれぞれのバースから、「音楽を鳴らし続け、より遠くまで届ける」のテーマに通ずる部分を解説します!

peko

まるでやかましい目覚まし

響く音けたたましい

四六時中鳴りっぱなし

辺り広がり街の噂に

ウルサイレン / 梅田サイファー

peko のこの歌詞、やかましい目覚ましのように四六時中ヘイターのヤジが飛んでくるとの解釈もできるので迷いました。

響く音けたたましい、との表現からポジティブにとらえられると考えました。

四六時中音楽を鳴らし続け、それが広がり街の噂にまでなる様子を歌っています。

締めは、

「俺ら歌えば起こる騒ぎ」

今後も歌うたびに聴き手の”騒ぎ”を起こす。そんな意思を感じます。

KOPERU

毎日毎時毎分毎秒鳴らす爆音

うるせえ!

俺らのアクション

ウルサイレン / 梅田サイファー

やはり、音楽を「鳴らす」ではなく「鳴らし続ける」がテーマであると確信させられるバースです。

上述の peko のバースでは、「四六時中」という表現がありました。

KOPERUは「毎日毎時毎分毎秒」と表現しています。

梅田サイファーにとって、歌い続けること、いつでも音楽をしていることが何より大切だという根底にある考えが伝わってきます。

テークエム

上述した二人は、「音楽を鳴らし続ける」ことについての歌詞が中心でしたが、一方でテークエムは音楽を「遠くに届ける」ことにフォーカスした詞を歌っています。

世界の裏側 踊らすくらい

ば、ば、爆音でいこーぜ

ウルサイレン / 梅田サイファー

世界中の裏側を躍らせるほど遠くへ自分たちの音楽を届ける、そんな広い視野を感じるバースです。

テークエムが海外でも活躍する R-指定 をどの程度意識しているかはわかりません。

しかし、テークエムもまた海外に目線があることが伝わってくる歌詞です。

ウルサイレンのフックはテークエムが担当しています。

「サイレンス切り裂く うるっさ さ さ」

この歌詞は、まだ音楽が届いていない場所=サイレンス の場所も切り裂いて音楽を届けることを意味した歌詞であると解釈しました。

一見、音の語感を意識したフックに聴こえましたが、「遠くに届ける」という視点から聴くと新たな意味が見いだせる歌詞になっています。

KennyDoes

クソでかい時計首から下げて

街に爆音警報発令

結構危ねえし健康のために

お耳に絆創膏でも貼ってねー♪

ウルサイレン / 梅田サイファー

KennyDoes は「爆音」を強調したバースになっています。

時計首から下げて は、PUBLIC ENEMY のフレイヴァ―・フレイブ(Flavor Flav)のスタイルからの引用です。

その後の歌詞では、お耳に絆創膏とあります。

うるさいから耳栓を、、、ではなく、絆創膏なのはうるさくても耳を塞がずに音楽を聴いていてほしいというメッセージが込められていると考えます。

ILL SWAG GAGA

ILL SWAG GAGA のバースは、締めでお洒落に音楽を届けることについて余韻のあるメッセージを残しています。

「サイレン過ぎた後 残る歓声」

サイレンを梅田サイファー自身の音楽に喩えています。

今回もILL SWAG GAGAらしさあふれる発声ですが、締めがおしゃれだなあと感じました。

「残る歓声」でバースを締め、余韻が残るバースになっています。

過去曲・炎炎ノ消防隊との関連

過去曲・アニメ「炎炎ノ消防隊 参ノ章」との関連についても考察します。

梅田サイファーが2022年にリリースしたEP「Show Must Go On」に収録される楽曲「アチィ」に注目です。

アチィの KOPERUのバースにはこのような歌詞があります。

炎炎と焚き付けるビート

に要らない消防隊

アチィ/梅田サイファー

熱いビートの熱気を消す必要は無い、とのメッセージを炎炎ノ消防隊と掛けて表現しています。

2022年から3年の時を経て炎炎ノ消防隊のEDを担当することになろうとはKOPERUも想像していなかったのではないでしょうか。

そんな炎炎ノ消防隊の3期「炎炎ノ消防隊 参ノ章」は2025年4月5日から放送開始です。

EDテーマのウルサイレンと共にお楽しみください!

『炎炎ノ消防隊 参ノ章』
炎が導く灼熱のダークファンタジー、最終章始動。『炎炎ノ消防隊 参ノ章』2025年4月~、2026年1月~、分割2クールにて放送。

まとめ

  • 批判や雑音に屈しない精神
  • 音楽を鳴らし続け、より遠くまで届ける
  • 過去曲・炎炎ノ消防隊との関連

3つの観点から梅田サイファー「ウルサイレン」について解説・考察してきました。

それぞれのメンバーがヘイターに向ける感情や、音楽を鳴らし続け遠くに届けることを歌った、テーマがはっきりした楽曲に感じました。

また、アニメとのタイアップながら、かなり梅田サイファーのパーソナルな部分にフォーカスした楽曲であると感じました。

ウルサイレンに込められた意味や、メッセージが炎炎ノ消防隊のアニメとどのように関連してくるのか、今後のアニメの展開も楽しみです。

梅田サイファーのメンバーについての記事です↓↓

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