2025年4月25日公開の映画『#真相をお話しします』。
その主題歌としてMrs. GREEN APPLEが書き下ろしたのが「天国」です。
この楽曲は、主演であり作詞作曲も手がけるボーカル・大森元貴の内面が色濃く反映された、深く壮大な作品です。
この記事では、歌詞の詳細な読み解きとともに、映画のテーマ、さらには大森さんの舞台挨拶でのコメントも踏まえ、「天国」というタイトルが示す本当の意味について考察します。
※このブログでは、音楽を通じて感じたことを発信しながら、発信の楽しさや価値についても綴っています。
音楽の新しい見方とともに、「発信すること」そのものに興味のある方にもお楽しみいただける内容を心がけています。
Mrs. GREEN APPLE のプロフィール
Mrs. GREEN APPLEは2013年に結成されたロックバンドです。
「ミセス」の愛称で親しまれています。
2015年にミニアルバム『Variety』でメジャーデビューしています。
2020年にフェーズ1の完結を発表。
2022年に現在のメンバー編成でフェーズ2の開幕を発表し活動を再開しています。
メンバーは、ボーカルギター/大森 元貴、ギター/若井 滉斗、キーボード/藤澤 涼架の3人です。
「ダンスホール」「ケセラセラ」そして「ライラック」
Mrs. GREEN APPLE のリリースする楽曲はたちまち日本のヒットチャート上位にランクインしています。
現在のJポップを代表するアーティストと言えます。
天国 の基本情報
天国 の基本情報は以下の通りです!
楽曲名:天国
アーティスト名:Mrs. GREEN APPLE
発売日:2025年5月2日(配信リリース)
ジャンル:Jポップ・Jロック
収録アルバム:天国(シングル)
作詞:大森元貴
作曲:大森元貴
タイアップ:映画『#真相をお話しします』主題歌
「天国」はMrs. GREEN APPLE ボーカルの大森元貴とtimeleszの菊池風磨がW主演を務める映画『#真相をお話しします』の主題歌に起用されています。
原作は結城真一郎の同名作品「#真相をお話しします」です。
「天国」はどんな曲?映画とシンクロするその世界観
映画『#真相をお話しします』は、“暴露系生配信”を舞台にしたサスペンス。
視聴者の投げ銭で成り立つチャンネルが、社会の闇やゴシップの“真相”を暴いていく物語です。
その主題歌である「天国」は、一見穏やかなタイトルとは裏腹に、非常に激しい感情を内包した作品です。
大森元貴さんは「天国」についてこう語っています。
「天国って、そもそも目の前にある自分のためにある幸せを、自分のためだけに使い古そうとする愚かさと愛しさを描いている」
ミセス大森元貴「天国」が描くもの解説「キス」を歌詞に登場させた理由【#真相をお話しします】(モデルプレス) – Yahoo!ニュース
「どうしようもないことばかりだけど、家にいる大事な人に会えればいいや、っていう投げやりな歌詞」
この言葉を受けて、私は「天国」は、赦されない現実の中で見つける、ささやかな幸福の居場所なのだと感じました。
【歌詞考察1】「どうしても貴方のことが許せない」──愛と恨みの感情が共存する場所
どうしても
貴方のことが許せない
天国 / Mrs. GREEN APPLE
楽曲は強烈な感情の吐露から始まります。
何があったのかは明言されていません.
しかし、この“許せない”という一言には、裏切られた痛み、信じたことへの悔い、そしていまだ消えぬ愛情が詰まっているように感じました。
抱きしめてしまったら もう最期
信じてしまった私の白さを憎むの
天国 / Mrs. GREEN APPLE
ここでは“白さ”=無垢さ・純粋さが、信じたことの象徴として描かれており、
それを「憎む」という言葉で否定しているのは、愛が裏切られたトラウマの深さを表しています。
【歌詞考察2】「家に帰ってキスしよう」──投げやりの中にある、切実な幸福願望
注目すべきフレーズがこちら:
いっそ忘れちゃえばいい?
そうだ 家に帰ってキスしよう
天国 / Mrs. GREEN APPLE
大森さんの発言によれば、この歌詞は、
「世の中どうしようもなくても、家に帰って大事な人に会えればそれでいい」という、投げやりでリアルな救いの形
ミセス大森元貴「天国」が描くもの解説「キス」を歌詞に登場させた理由【#真相をお話しします】(モデルプレス) – Yahoo!ニュース
を描いているとのこと。
これはまさに、「暴露社会」の中で、人間が心を守る最後の砦が“個人的な幸福”であるという映画のテーマとも重なります。
「天国」は、“社会に対する絶望”に対する“誰かを愛することで生まれる再生の願い”であると考えました。
【歌詞考察3】「お日様を浴びた布団」──幸福の象徴からの転落
あの頃、お日様を浴びた布団に
包まる健気な君が
天国 / Mrs. GREEN APPLE
ここは、語り手が思い出す“失われた理想の日々”の描写です。
大切で愛しいあなたの素直さや無垢さを慈しんでいた時間。
でも、それは過去のことです。
「そのままでいてくれればよかった」という悔いからは、人が変わってしまうことの恐怖と過ぎ去った人は戻らないことの戒めが表現されていると読み取りました。
【歌詞考察4】「蛆が湧いても」──醜さと愛の混在
醜い歌詞も綺麗に歌う、大森元貴の心意気のようなものを感じた歌詞です。
心に蛆が湧いても
まだ香りはしている
あの日の温もりを
醜く愛してる
天国 / Mrs. GREEN APPLE
“蛆”は死や腐敗を象徴する言葉で、ここでは壊れゆく心と、それでも消せない愛情の記憶が対比的に描かれています。
つまり「天国」とは、清らかな楽園ではなく、“痛みを抱えたままでも愛することをやめられない場所”であるとも捉えられます。
やはり言い換えると赦されない現実の中で見つける、ささやかな幸福の居場所と言えます。
そのことを“醜く愛してる”という一言に凝縮しているのです。
【歌詞考察5】繰り返される「どうすればいい?」──救いのなさと再生の芽
どうすればいい?
腐ってしまうこの身を
飾ってください
私のことだけは忘れないで
天国 / Mrs. GREEN APPLE
ここでは“どうすればいい”という自問自答が反復され、出口のない迷宮に迷い込んだ心の動きが描かれます。
でもその中にも、「飾ってください」「忘れないで」という、誰かに見つけてほしい、愛されたいという希望がにじんでいます。
考察3・4で”記憶”というフレーズも絡めて考察しましたが、ここでもキーワードは”記憶”=忘れないで という感情のようです。
最終的に歌詞はこう締めくくられます。
あの頃のままの君に
また出会えたとして
今度はちゃんと手を握るからね
天国 / Mrs. GREEN APPLE
過去の喪失を引きずりながらも、“もしもう一度出会えたら、今度は失わない”という再生の意志。
ここで初めて、「天国」という言葉が救いの象徴として昇華されているようにも感じます。
映画との関係性:「真相を話すこと」と「愛を赦すこと」
『#真相をお話しします』は、人間の闇や偽善、そして暴露社会の不条理を描いた映画です。
真実を明かすことが“正義”であるとは限らない。それが誰かを傷つけ、あるいは自分をも破壊してしまう。
そんなテーマが根底にあります。
それと同じように、「天国」も、”真実を知ってもなお愛せるのか? 赦せるのか?”という問いを投げかけています。
そして、暴露社会に疲れ果てた鈴木という人物が「彼女がいたら違ったかもしれない」と大森さんが語ったように、人は誰かを愛することで、破滅から一歩引き返せるのかもしれない。
それが「天国」の中心にある感情です。
好きなものを発信するということ
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結論:「天国」は現実の中にある、ささやかな救いの場所
ここまでの考察をまとめます。
Mrs. GREEN APPLE「天国」は、本質的な「赦せない愛」と「再生への祈り」を描いた楽曲です。
「天国」とは、清らかな楽園ではなく、
- 傷だらけでも寄り添える関係
- 思い出を抱えても歩き出せる強さ
- 壊れた心の奥に残る、ほんの少しのあたたかさ
そんな、現実の中にある小さな希望の場所なのではないかと、私は思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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