2025年5月21日、Chevonから「DUA・RHYTHM」がリリースされました。
公式YouTubeに投稿されたChevon自身のコメント──
「もっと根本から叙述的に疑いましょう。」
この言葉こそが、この曲を読み解く鍵。
この記事では、楽曲タイトルの意味、歌詞に込められたメッセージ、そして「第二章」と銘打たれた意図を、私自身の視点で深く考察していきます。
※当サイトでは、音楽を聴いて感じたことを個人で考察・発信しています。
読者の皆さんにも、新たな視点や楽しみ方が届けば幸いです。
Chevonとは何者か?鋭さと感性を併せ持つ次世代型アーティスト
Chevon の読みは「シェボン」です。
Chevonは、ボーカルの谷絹茉優(やぎぬ みゆう)、ギターのKtjm(きたじま)、ベースのオオノタツヤからなる、札幌市で結成された3ピースロックバンドです。
2021年6月9日に結成され、2022年よりライブ活動を開始。 2024年2月には初の全国流通盤アルバム「Chevon」をリリースし、同年7月からは初のワンマンツアー「冥冥」を全国6箇所で開催しました。
また、2025年には全国5箇所のZeppワンマンツアー開催を発表し、さらなる飛躍が期待されています。
ちなみに、バンド名の「Chevon」は「成人したヤギの肉」を意味し、谷絹の名字に因んだ名前を考えていた際に決定した名前であると言われています。
唯一無二な歌声と、それぞれが異なる輝きを放つ楽曲に今後も注目が集まります。
Chevon の代表曲「ダンス・デカダンス」については別の記事で考察しています!

「DUA・RHYTHM」の基本情報
楽曲「DUA・RHYTHM」の基本情報を整理しておきます。
- 楽曲名:DUA・RHYTHM
- アーティスト名:Chevon
- 発売日:2025年5月21日(配信リリース)
- ジャンル:Jホップ・Jロック
- 収録アルバム:DUA・RHYTHM(シングル)
- 作詞:谷絹茉優
- 作曲:Chevon
1. タイトル「DUA・RHYTHM」の意味を読み解く
タイトルに含まれる「DUA」は、アラビア語で“祈り”を意味するduʿāʾ(ドゥアー)。
一方で「dual(2つの)」や「duality(二元性)」を思わせる響きもあります。
「RHYTHM(リズム)」は単なる音の繰り返しではなく、この曲では「矛盾し合うものが並存する脈動」を示しているように感じられました。
つまりこのタイトルは、「二重の祈りの律動」「対立する信念の共鳴」といった意味合いを持ち、「善と悪」「神と悪魔」「光と闇」といった二項対立がテーマであることを示しています。
2. “第二章”とは何か? 公式コメントを考察
公式がMVのコメント欄で明言したのは、
もっと根本から叙述的に疑いましょう。
神や悪魔は誰が定義したものでしょう.
誰かが決めた善悪は全人類にとっての善悪なのでしようか。
誰もが在りきで話を進めてしまっているところにこそ、本当に疑うべきものが隠されているのかもしれません。
凝り固まった脳みそをほぐす為の第二章です。
これは、Chevonが過去作で提示してきた世界観に対して、「さらに一歩深く問い直すステージに来た」という宣言。
第一章が“提示”だとすれば、第二章は“解体”です。
同時に、「神や悪魔は誰が定義したか?」という問いは、この曲の根本テーマが信じ込まされた善悪の価値観を疑うことであると明示しています。
個人的にはChevonの新たな楽曲の引き出しを披露するような楽曲に感じました。
3. 歌詞にあふれる二項対立とその崩壊
昼と夜、陸と海、♂と♀の境界
人の世に放たれた獣を呼び覚ます声
DUA・RHYTHM / Chevon
自然界も社会も、あらゆるものが「2つのカテゴリ=二項対立」に分けられてきた。
しかし本当に、それらは“明確に分けられるもの”なのでしょうか?
陰陽の理は破られぬもの
デュア・リズム そう何もかもが二つに割れてゆく
DUA・RHYTHM / Chevon
この「陰陽」や「二つに割れてゆく」という表現は、
「物事は常に二元論で説明できる」という人間の思考のクセそのものをあぶり出しています。
陰陽の理は破られぬ=二項対立は避けられない
しかしChevonは、その“割れ目”すらも再統合するべきだと訴えているように感じました。
4. 「喝采と罵倒を天秤にかけろ」の真意とは
このラインは、ただの社会批評ではありません。
「喝采と罵倒を天秤にかけろ!!」
DUA・RHYTHM / Chevon
賞賛と中傷──その両方に価値がある。
なぜなら、それらは誰かが勝手に作った“評価軸”だからです。
罪か徳か理解らぬまま積み重ねて終わりを待つ
DUA・RHYTHM / Chevon
この一節には、「誰かが作った価値観の中で、曖昧なまま生きること」の虚しさが込められています。
私たちは喝采を得ようとし、罵倒を避けようとする──でもその判断基準は本当に“自分自身”のものなのでしょうか?
自分自身の評価軸を持つことの大切さを考えさせられます。
5. 神と悪魔すら疑え|Chevonの思想の中核
それが神か悪魔か己の目で確かめろ
与えられるは褒美か罰か山羊のみぞ知る
DUA・RHYTHM / Chevon
“神”と“悪魔”は、人間が作った概念です。
Chevonはその絶対的存在すら「自分の目で確かめろ」と促してきます。
さらに“山羊”は、神話では悪魔や犠牲の象徴でもありますが、ここではそれすらも価値判断の「外」に置いているのがポイントです。
しかもバンド名のChevonはヤギ肉を意味する単語ですから、「山羊のみぞ知る」=この主張の提言者がChevon自身であることを示していると言えます。
つまりChevonは、すべての固定概念を一度“解体”しろと語ります。
6. “踊れ”という言葉に込められた逆説
あぁ、踊っていろ
どうなってるって考えたって
至って平凡な回答で
DUA・RHYTHM / Chevon
ここにあるのは、思考停止した現代人への皮肉とも取れます。
逆に「踊るように、自由に考えろ」という励ましとも読めます。
そして終盤では──
嗚呼、君という善の為に悪になるのは
授かった天命さ、光栄だ
DUA・RHYTHM / Chevon
と、善悪を乗り越えた“矛盾の受容”へと踏み込みます。
そして最後には、
–GAME OVER–
DUA・RHYTHM / Chevon
もうちょっと頑張って(笑)
「終わった」と見せかけて、“まだ何も始まっていない”という皮肉。
人生や正義すらゲームのように再定義しているのです。
7. まとめ:Chevonが私たちに投げかける“本当の疑問”
「DUA・RHYTHM」は、神や悪魔を語っているようで、実は私たち自身の“常識”こそが疑われている楽曲です。
誰かが決めた善悪は全人類にとっての善悪なのでしようか。
そんな問いかけをしつつもChevonは明確な答えを提示しません。
その代わり、「あなたは何を信じるのか?」という問いだけを残していきます。
▼あとがき|私にとっての“デュア・リズム”
この曲を初めて聴いたとき、「壮大で抽象的なことを言っている」としか思えませんでした。
でも歌詞を読み込み、公式のコメントを何度も見返してようやく気づきました。
「自分が“信じてる前提”こそが、本当に疑うべきものなのかもしれない」と。
私の中にも“誰かに植えつけられた価値観”がある。
その価値観にどう向き合うか、そう迫る思いを感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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