2024年1月24日、Chevonから「ダンス・デカダンス」がリリースされました。
Chevonの「ダンス・デカダンス」を初めて聴いたとき、まるで自分の心を見透かされたような気がしました。
息苦しい日常の中で、理想と現実のギャップに押し潰されそうになる毎日。
誰にも本音を言えず、ただ流されるように生きてしまう。
それでもどこかで「自分はこれでいいのか？」と問いかける――。
この曲には、そんな“心の叫び”が強烈に詰まっています。
今回は、タイトルの意味から歌詞全体の構造、そしてそこに込められた感情やメッセージまで、僕なりに深掘りして考察していきます。
※このブログでは、音楽を通じて感じたことを発信しながら、発信の楽しさや価値についても綴っています。
音楽の新しい見方とともに、「発信すること」そのものに興味のある方にもお楽しみいただける内容を心がけています。
Chevonとは何者か？鋭さと感性を併せ持つ次世代型アーティスト
Chevon の読みは「シェボン」です。
Chevonは、ボーカルの谷絹茉優（やぎぬ みゆう）、ギターのKtjm（きたじま）、ベースのオオノタツヤからなる、札幌市で結成された3ピースロックバンドです。
2021年6月9日に結成され、2022年よりライブ活動を開始。 2024年2月には初の全国流通盤アルバム「Chevon」をリリースし、同年7月からは初のワンマンツアー「冥冥」を全国6箇所で開催しました。
また、2025年には全国5箇所のZeppワンマンツアー開催を発表し、さらなる飛躍が期待されています。
ちなみに、バンド名の「Chevon」は「成人したヤギの肉」を意味し、谷絹の名字に因んだ名前を考えていた際に決定した名前であると言われています。
Chevonの音楽は、現代的な孤独や葛藤を描いた作品が多く、「ダンス・デカダンス」もその系譜にある1曲です。
彼らの活動は、札幌を中心に全国のライブで展開されており、唯一無二な歌声と、それぞれが異なる輝きを放つ楽曲に注目が集まっています。
新曲「DUA･RHYTHM」については別記事で考察しています！
「ダンス・デカダンス」の基本情報
楽曲「ダンス・デカダンス」の基本情報を整理しておきます。
- 楽曲名：ダンス・デカダンス
- アーティスト名：Chevon
- 発売日：2024年1月24日（配信リリース）
- ジャンル：Jホップ・Jロック
- 収録アルバム：Chevon（フルアルバム）
- 作詞：谷絹茉優
- 作曲：Chevon
↓↓「ダンス・デカダンス」も収録されているアルバム「Chevon」
Blu-rayには2023年6月9日に開催された結成2周年記念ワンマンライブ「Chevon 2nd anniversary LIVE『Banquet』」で披露された楽曲も収録されています！
🎧 Chevon「ダンス・デカダンス」を聴くには！
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🎵 楽天ミュージックで今すぐ聴いてみる【タイトル考察】「ダンス・デカダンス」とは何を意味するのか？
まず注目すべきは、印象的なタイトル「ダンス・デカダンス」。
- 「ダンス」＝踊り、生きる動作の象徴
- 「デカダンス（decadence）」＝退廃、堕落、終末感を意味する言葉
一見矛盾したこの2つの言葉を合わせることで、「退廃の中で踊る」「壊れていく日々を生き抜く」という皮肉めいた、でも美しいイメージが立ち上がります。
僕はこのタイトルに、Chevonが「それでも生きるしかない」という現代人の宿命と矛盾した肯定を込めたように感じました。
“絶望の中でも踊れ”そんなメッセージを感じます。
【冒頭考察】不器用な自分と、どうしようもない世界
嗚呼、難解な世界なんです
どう考えてもそんなに上手に生きられないの
ダンス・デカダンス / Chevon
曲の始まりからすでに、僕たちが日常で感じている“生きづらさ”が強くにじみ出ています。
現代社会って、正直ややこしいですよね。
「ちゃんとしろ」「普通でいろ」っていう無言の圧力があって、「上手に生きる」ことを求められます。
そして、「上手に生きているフリ」をして皆生きています。
でも、この歌の語り手はそうじゃない。
むしろ、「そんなに器用に生きられない」と開き直ることすらできずに、もがいています。
もう一挙手一投足の労すら勿体無いなんて
思って、劣っていく、現状。
ダンス・デカダンス / Chevon
「何をしても無駄」という思考が心を支配していくと、人は少しずつ自分を見失っていきます。
この歌詞には、“努力する気力すら奪われた心の姿”が現実感を持って描かれていると思いました。
【サビ考察①】「ツマンナイ大人」になってしまった僕たちへ
ツマンナイ大人になってきている
人の目ばっか見ている
息ができないやいや
ダンス・デカダンス / Chevon
このサビは、あまりに痛切です。
「誰かの期待に応えるために」「常識に沿うために」
そうやって行動するうちに、気がつけば自分自身がいなくなっている。
ボーカルの谷絹さんは24歳、もし会社員だとしたら大卒2年目くらい。
社会人になって「ツマンナイ大人」になってしまわないように生きる同年代の僕に刺さりました。
「…こんなモンだ」って夢は将来性を失ってゆく
ダンス・デカダンス / Chevon
夢に見ていた未来が、いつの間にか「現実的な目標」にすり替わっていく過程。
これって、本当によくあることだと思います。
しかし、この歌詞はその”逆”。
堕落した思考は夢から現実感を奪っていきます。
【中盤考察】「無難な人生」の正体とは
生存安牌で平坦な道を選んで歩いて
埋まらない距離を今日も歌っている
ダンス・デカダンス / Chevon
曲の中盤、少しトーンが落ち着くパートでは、主人公が選んできた「無難な道」が語られます。
“安牌”という言葉が象徴するのは、リスクを避けて安全な方を選ぶ生き方。
一見すると「それでいいじゃん」と思うけど、それが本当に自分らしい人生だったのか？と、ここで問い直されます。
平々凡々なロボットになってゆくんだ
ダンス・デカダンス / Chevon
感情を押し殺して、与えられた役割だけをこなす。
そんな生き方にどこかで慣れてしまうと、「自分であること」をやめてしまいかねない。
これは、今の社会に適応しようとするすべての人に向けられた、鋭い問いかけです。
【サビ考察②】「どうでもいいよ」と言いながら、本当は…
本当になったって、嘘になったって
壊れたって元に戻ったってどうでもいいよ。
ダンス・デカダンス / Chevon
このフレーズ、冷めたように見えて、実はすごく感情的なんですよね。
「どうでもいい」と言うときって、大抵は“本当はどうでもよくない”ときだったりします。
本音を隠したくて、心を守るために、あえて無関心を装う。
このラインには、傷つきすぎて捨て鉢になった人間の姿が浮かびます。
【ラスト考察】踊ってくれ、僕の歌で。君だけに届けたい
踊ってくれ、踊っておくれよ僕の歌で
なあ、「ここだよ」って教えて
ダンス・デカダンス / Chevon
ここで、曲のトーンがガラッと変わります。
皮肉や絶望を歌っていた主人公が、最後に見せるのは“誰かへの強い想い”。
君だけが愛やいや
生まれ変わったって、鳥になったって
虫になったって、草になったって
僕はずっと君だけに命を賭すのだろう
ダンス・デカダンス / Chevon
「君」という存在が、この世界にしがみつく理由になる。
どんなに自分が変わっても、何に姿を変えても、“君への愛”だけは失わない。
この歌の中で唯一、揺るぎない想いがここにあります。
絶望の中でも、踊るように、もがくように生きる。
「ダンス・デカダンス」というタイトルが、最後には再生や祈りとして響いてくるのが、本当に美しいです。
好きなものを発信するということ
余談ですが・・・音楽を聴くのも、考えるのも好きで、気づけばこうしてブログに書き続けています。
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【まとめ】「ダンス・デカダンス」は、“生きること”そのものの歌
Chevonの「ダンス・デカダンス」は、一見するとネガティブな言葉が多く並んでいます。
けれど、その裏には、「それでも生きたい」「君とつながっていたい」という切実な願いが込められています。
この歌は、社会に適応するうちに“自分”を見失ってしまった僕たちのための、静かな叫びです。
- 無意味に感じる日常に飲まれながらも
- 本当の自分を取り戻したくて
- 誰かを愛しながら、踊るように生きる
そんな矛盾を抱えた、“現代人の魂の踊り”。
それが「ダンス・デカダンス」だと、僕は思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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