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【歌詞考察】ヨルシカ「火星人」──僕はなぜ火星を目指すのか?孤独と理想の狭間に立つ音楽【小市民シリーズOP】

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【歌詞考察】ヨルシカ「火星人」──僕はなぜ火星を目指すのか?孤独と理想の狭間に立つ音楽【小市民シリーズOP】 Jポップ

2025年春、TVアニメ『小市民シリーズ』第2期がスタートしました。

そのオープニングテーマを飾るのが、ヨルシカ新曲「火星人」です。

文学的で抽象的な言葉が並ぶこの楽曲。

けれど、その一つ一つに目を凝らすと、現代人が抱える「普通に生きることの難しさ」や「理想と現実のズレ」といった切実な想いが浮かび上がってきました。

この記事では、歌詞をもとに「火星人」が描く“僕”の内面を紐解きながら、アニメ『小市民シリーズ』とのつながりや、タイトルの意味まで掘り下げて考察します。

※このブログでは、音楽を通じて感じたことを発信しながら、発信の楽しさや価値についても綴っています。
音楽の新しい見方とともに、「発信すること」そのものに興味のある方にもお楽しみいただける内容を心がけています。

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ヨルシカ のプロフィール

ヨルシカは2017年にコンポーザーのn-bunaがボーカルのsuisを迎えて結成した音楽ユニットです。

n-bunaの文学的な歌詞と、ボーカルsuisの透明感のある歌声で人気を博しているバンドです。

今作品「火星人」でも萩原朔太郎の詩『猫』からの引用が見られています。

そういった意味で、歌詞の解釈の余地が非常にあるアーティストと言えます。

↓↓ヨルシカのライブは他のロックバンドとは圧倒的に一線を画しているので見られたことない方はぜひ!

火星人 の基本情報

火星人 の基本情報は以下の通りです!

楽曲名:火星人

アーティスト名:ヨルシカ

発売日:2025年5月9日(配信リリース)

ジャンル:Jロック・オルタナティブ

収録アルバム:火星人(シングル)

作詞:n-buna

作曲:n-buna

タイアップ:TVアニメ「小市民シリーズ」第2期オープニングテーマ

「火星人」はTVアニメ「小市民シリーズ」第2期のオープニングテーマとして書き下ろされた作品です。

原作は米澤穂信の「小市民シリーズ」です。

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「火星人」はどんな曲?アニメ『小市民シリーズ』との関係

「火星人」は、TVアニメ『小市民シリーズ』第2期(2025年4月より放送)オープニングテーマとして書き下ろされた楽曲です。

本作は「“小市民”を目指す高校生の二人が“日常の謎”に関わっていく青春ミステリー」

この「小市民」とは、知恵を持ちながらもあえて“普通”に生きることを選んだ人々のことを指します。

ヨルシカの「火星人」は、そんな「普通を装って生きる」ことの苦しさや、理想との距離に苦悩する“僕”を描いています。

アプローチこそ違えど、通底するテーマはアニメの主題と深く共鳴する一曲であると感じます。


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タイトル「火星人」が意味するものとは?

“火星人”という言葉から、私は「異質な存在」「地球=現実から離れた場所にいる人」を思い浮かべました。

ヨルシカのn-bunaさんは、アニメ公式インタビューでこのように語っています。

「火星は憧れであり理想で、火星人はそこにいる人。僕たちがそうであるように、火星人もまた不安や孤独の中で生きている」

音楽 -TVアニメ『小市民シリーズ』公式サイト-

つまりこのタイトルは、社会にうまく馴染めない、心のどこかで“ここじゃないどこか”を求める存在=火星人を示しているのです。


【歌詞考察1】「穏やかに生きたい」けれど、言葉が足りない

冒頭の歌詞で、“僕”はこう語ります。

穏やかに生きていたい

休符。

あぁ、わかってください

火星人 / ヨルシカ

ここで特筆すべきは「休符。」という言葉です。

これは音楽記号の“沈黙”を意味し、「伝えたい思いが言葉にならない」もどかしさを象徴しています。

“穏やかに生きたい”という誰しもが抱く願い。それが素直に言葉にできず、「あぁ、わかってください」と訴える――ここには、繊細で言葉に不器用な“僕”の心の内が見えます。

穏やかに生きたい火星人と、小市民として生きたいと願う登場人物たちの心情両面を反映している描写であると読み取りました。


【歌詞考察2】「火星へランデヴー」──地球と火星の対比

サビでは繰り返し「火星へランデヴー」というフレーズが登場します。

火星へランデヴー

普通の日々 普通のシンパシー

僕が見たいのはふざけた嵐だけ

火星人 / ヨルシカ

ここで“ランデヴー(rendezvous)”とは「出会い」や「再会」を意味するフランス語。

地球=現実、火星=理想の世界 の隠喩だとすると、

「火星で誰かと再会する」とは、単に誰かとの邂逅ではなく、理想世界の中で、本当の自分と出会いたいという“僕”の願望ではないでしょうか。

また、

自分へランデヴー

それに音楽も薬もいらない

火星人 / ヨルシカ

と変化することで、「誰かとの出会い」から「自分自身との対話」へとテーマが移っていくのがわかります。

これは、逃避の旅だった“火星行き”が、実は自己理解のプロセスでもあったことを示しています。

理想と現実の対比であった構図が、実は対比ではなく道続きだった、そんな変遷が素敵な歌詞です。


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【歌詞考察3】「月の反射」「脳の反射」に込めた逃避的願望

僕の苦しさが月の反射だったらいいのに

僕の価値観が脳の反射だったらいいのに

火星人 / ヨルシカ

これらの表現には、感情や価値観を“自分のせいじゃない”ことにしたい逃避的願望が込められているように感じます。

“反射”とは、他者の光を受けたにすぎない現象。

つまり、「この苦しみは誰かの影響で、自分の本心じゃない」と言い訳できたなら、少しは楽になれるかもしれない。

“僕”の優しさと不安が滲み出た、美しくも切ないフレーズです。


【歌詞考察4】萩原朔太郎の詩「猫」との関係──しっぽの先に月がある

終盤で現れる印象的な一節。

ぴんと立てたしっぽの先から、

糸のやうなみかづきがかすんでゐる

火星人 / ヨルシカ

これは萩原朔太郎の詩『猫』の引用であり、n-buna氏が「本歌取り」として用いたと明言しています(同上公式インタビューより)。

ちなみに本歌取り(ほんかどり)とは、日本文学における技法の一つです。
古い詩や歌の一部を引用し、それを元に新しい表現や解釈を加えて独自の作品を作り出す手法を指します

“しっぽ”と“月”の取り合わせは、孤独な動物が夜空を見上げている情景

孤独で、自分の気持ちがわからない。でも、そのしっぽの先に、細くかすんだ月がある。

それは、希望や憧れをまだ完全には捨てていない“僕”の心なのかもしれません。

ここの歌詞についてはさらに考察の余地があると考えます。


【歌詞考察5】火星の大地がチョコと同じだったら──優しさの欲求

火星へランデヴー

そこに銃弾も花火もいらない

火星の大地がチョコと同じだったらなぁ

火星人 / ヨルシカ

この一節には、急に子どもっぽい甘えが顔を出します。

過酷で冷たい火星の大地が、柔らかくて甘いチョコのようだったなら――“僕”は本当は、優しく包まれたいだけなのかもしれません。

火星=理想 の世界に争いは必要なく、ただ甘いチョコレートのような安心感さえあれば良い。

どれだけ理想を目指しても、結局人間の本質は「誰かに理解されたい」「柔らかい世界で安心したい」というシンプルな願いに行き着くのではないでしょうか。

好きなものを発信するということ

余談ですが・・・音楽を聴くのも、考えるのも好きで、気づけばこうしてブログに書き続けています。
最初はただの趣味でしたが、誰かと気持ちを共有できること、言葉を磨くことの面白さに惹かれて、続ける理由が増えていきました。

今ではこのブログが、小さな収益にもつながるようになり副業として楽しみながら書いています。好きなことを発信して、それが誰かの役に立ったり、何かの価値になる。そんな体験を、これからも積み重ねていけたらと思います。

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まとめ:私たちもまた、「火星人」なのかもしれない

ヨルシカの「火星人」は、ただの空想世界を描いた曲ではありません。
普通でいたいけれど、普通になれない。理想を目指しながらも現実が苦しい。
そんな誰もが心に抱えている“ズレ”と“願い”を、「地球」と「火星」を対比的に描いた一曲です。

アニメ『小市民シリーズ』が描く、「賢さ」ゆえの生きづらさや葛藤とも深くリンクしています。
n-bunaさんとsuisさんはこの曲で、「言葉にならない心の声」を、音楽という形で伝えてくれました。

個人的な感想ですが、歌詞の入りを4行連続で押韻したり(「ぴん」「芯」「しん」「蘭」)本歌取りを公言して技法として用いたりする”日本語遊び”がn-bunaさんらしさを感じます。

また、イントロのギターサウンドも一聴するとすぐに「ヨルシカの音だ!」と思い浮かびますよね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

音楽ブログを通じて、自分の「好き」が誰かの役に立つ喜びや、文章で伝える力の大切さを感じてきました。
今では、副業としての収益化にも少しずつつながっており、そのステップを記事にまとめています。
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