2025年4月30日、キタニタツヤから「あなたのことをおしえて」が配信リリースされました。
2025年6月17日配信開始予定『Shadowverse: Worlds Beyond』のテーマソングとして制作された、キタニタツヤの「あなたのことをおしえて」。
一聴して感じるのは、静かで誠実な眼差し、そして哀しみにも似た愛でした。。
キタニさん自身はこの曲について次のようにコメントしています。
「大きな力に翻弄されながらも少しずつそれに抗い、悲しかったこと、苦しかったことを糧に、胸の奥に抱えた理想で現実をささやかにでも上書きしていく。
そんな小さな革命が私たちの日常の中にはたくさんあって、『あなたのことをおしえて』はその革命を鼓舞するものであるようにと作った歌です。」
キタニタツヤ、『Shadowverse: Worlds Beyond』テーマソング「あなたのことをおしえて」配信リリース – ニュース – OTOTOY
この記事では、この公式コメントを出発点にしながら、歌詞全体を丁寧に読み解き、「あなたのことをおしえて」がどんなメッセージを私たちに投げかけているのか、また『Shadowverse』との関連性にも触れつつ考察していきます。
※このブログでは、私自身が音楽を通じて感じたことを発信しながら、発信の楽しさや価値についても綴っています。
音楽の新しい見方とともに、「発信すること」そのものに興味を持っていただけるような内容を心がけています。
キタニタツヤ のプロフィール
キタニタツヤは東京大学出身のシンガーソングライター、ベーシストです。
「こんにちは谷田さん」名義のボカロPとしての活動や、ヨルシカのサポートベーシストとしての活躍が知られています。
個人名義では2020年にアルバム「DEMAGOG」でメジャーデビュー。
2023年にはTVアニメ『呪術廻戦 懐玉・玉折』のOPテーマとして起用された楽曲「青のすみか」が大ヒットし、同年には紅白歌合戦に出場しています。
2024年には中島健人との音楽ユニットGEMNからファタールをリリース。
個人や、タイアップでの楽曲の人気が高まっている、勢いのあるアーティストです。
「あなたのことをおしえて」の基本情報
楽曲「あなたのことをおしえて」の基本情報を整理しておきます。
- 楽曲名:あなたのことをおしえて
- アーティスト名:キタニタツヤ
- 発売日:2025年4月30日(配信リリース)
- ジャンル:Jホップ・オルタナティブ
- 収録アルバム:あなたのことをおしえて(シングル)
- 作詞:キタニタツヤ
- 作曲:キタニタツヤ
- タイアップ:『Shadowverse: Worlds Beyond』テーマソング
キタニタツヤは、「あなたのことをおしえて」について、日常の中にある小さな革命を鼓舞するようなものであるようにと作った曲であると語っています。
曲名「あなたのことをおしえて」の意味:他者を知ることで起きる“革命”
タイトルの「あなたのことをおしえて」は、直訳的には単なる会話の一コマに見えますが、実際には非常に深い意味が込められているように感じました。
ここで言う「あなた」は、特定の誰かであると同時に、世界に生きるすべての人を象徴しているようにも感じられます。
誰もが悲しみを抱えながら、それでもどこかで誰かに理解されたい、知ってほしいと思っている。
そんな普遍的な願いを、キタニタツヤはこのタイトルに込めているのではないでしょうか。
そして「教えて」と願う語り手の姿勢は、支配や命令とは無縁で、むしろ相手の内側に触れたいという純粋な“共感”の欲求。
これはまさに、公式コメントにある「理想で現実を上書きする」第一歩=小さな革命なのです。
歌詞前半考察:「仮面の下で泣いている」受動性からの解放
好きな音楽とか、嫌いな人とか
あなたの未来を見せて
守りたいもの、抗いたいこと
あなたのことをおしえて / キタニタツヤ
この冒頭は、相手の“ありふれた”個性を知ろうとする問いかけから始まります。
日常的なことの中にこそ、その人の人生の本質があるというメッセージを感じます。
36度の受動態が仮面の下で泣いている
あなたのことをおしえて / キタニタツヤ
ここで描かれるのは、「ただ生きているだけ(36度=平熱)」のような、エネルギーを封じた存在。
でもそれは決して無関心なのではなく、仮面の裏で泣いている。
つまり、感情を押し殺し、社会に適応しながらも、内面では痛みや葛藤を抱えている現代人の姿が浮かびます。
あなたはもう何も差し出さなくてもいいと思うよ
ささやかでも世界を憎むことを許してあげよう
あなたのことをおしえて / キタニタツヤ
「差し出す」こと=無理に笑顔や正しさを演じなくてもいいという受容の言葉です。
ここで語り手は、相手の弱さや怒り、ネガティブな感情さえも認め、許し、肯定しています。
これは他者にとっての救済であり、“革命”の一形です。
サビ考察:悲しみを育て、感情を分かち合う
どうか生きて、笑って、泣いて
少しでも多く
胸の奥、眠っている壮大なストーリー
僕に見せてくれ
あなたのことをおしえて / キタニタツヤ
語り手は、単に楽しいことや成功だけでなく、「泣くこと」も含めたすべての感情に価値があると言っています。
人生の喜怒哀楽すべてが、その人だけの“壮大なストーリー”であり、それを「見せてくれ」と願うのです。
ありったけの悲しみ全部
この歌に蒔いた
水を遣って、その涙で
あなたのことをおしえて / キタニタツヤ
ここでは悲しみを「種」とし、それを育てる「涙」を水に喩えています。
つまり、悲しみをただ消すのではなく、人生の一部として大切に育てていこうという価値観です。
これは、キタニタツヤの創作哲学でありニーチェの思想である「アモール・ファティ(運命愛)」にも通じます。
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後半考察:あなたの歌を聴かせて—感情の共有が起こす変化
あなたの歌をきかせて
失くさないように抱えている
秘密をおしえて
あなたのことをおしえて / キタニタツヤ
ここでの「歌」は、その人の人生や思いの象徴です。
誰しもが、他人には見せられない感情や秘密を抱えて生きている。
その奥底にあるものを、勇気を出して「きかせてほしい」と願うことは、相手への最大の敬意でもあります。
あなたの気持ちを分けて
僕の悲しみを育てて、その涙で
あなたのことをおしえて / キタニタツヤ
他者の感情を受け取り、それによって自分の悲しみも育っていく。
ここで語られているのは、感情の“共有”がもたらす相互作用です。
悲しみを分かち合うことが、新たな理解やつながりを生む。
これこそが、キタニタツヤの言う「小さな革命」の本質でしょう。
『Shadowverse: Worlds Beyond』との接続点
『Shadowverse: Worlds Beyond』は、プレイヤーがキャラクターとともに物語を紡ぎながら、時に別れや選択といった重みのある体験をしていく作品です。
キタニさんが語った「翻弄されながらも抗う」姿は、まさに登場キャラクター“ドライツェーン”の姿にも重なります。
ゲームを通じてプレイヤーはキャラクターの過去や感情に触れ、その「壮大なストーリー」を知ることになります。
それはまさにこの曲が投げかける、「あなたを教えて」という問いに応えるプロセスでもあります。
好きなものを発信するということ
余談ですが・・・音楽を聴くのも、考えるのも好きで、気づけばこうしてブログに書き続けています。
最初はただの趣味でしたが、誰かと気持ちを共有できること、言葉を磨くことの面白さに惹かれて、続ける理由が増えていきました。
今ではこのブログが、小さな収益にもつながるようになり副業として楽しみながら書いています。好きなことを発信して、それが誰かの役に立ったり、何かの価値になる。そんな体験を、これからも積み重ねていけたらと思います。
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まとめ:日常の中の“ささやかな革命”
キタニタツヤ「あなたのことをおしえて」は、誰かの悲しみに寄り添い、それを一緒に育てながら進んでいこうという、優しくも力強いメッセージを持った楽曲です。
「革命」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、この歌が描いているのは、「他者を理解し、共に生きようとする」ことが生み出す日常の中の変化――それが“ささやかな革命”なのだと、私は感じます。
今、誰かに声をかけるように、あるいは自分自身にそっと問いかけるように、この曲を聴いてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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