僕は「低スペPC×未経験でも音楽を作る」と題してブログを書いています。
同じように、低スペックPCで、無料でDTMを始めたいと考えている方へ。
僕がDTMを始める時に、低スペックPCでも動く軽量かつ無料のDAWを探した経験からお伝えします！
この記事では、その際に検討した10個の無料&軽量DAWを、低スペックPCユーザーの視点から徹底比較します。対応OS、動作の軽さ、VST対応、UIの使いやすさなど、気になるポイントを詳しく解説していきますね。
そもそもDAWって何?低スペックPCでDAWを選ぶポイント
DAW(Digital Audio Workstation)は、デジタル音楽制作のための統合ソフトウェアです。録音、編集、ミキシング、マスタリングなど、音楽制作に必要な機能が一つにまとまっています。
「低スペックPCでは無理なんじゃ…」と思うかもしれませんが、実は軽量に動作するDAWもたくさんあるんです。初心者に大切なのは自分のPC環境に合ったDAWを選ぶこと。
低スペックPCでDAWを選ぶポイントは、DAW自体軽量かどうかです。
今回紹介するDAWは、どれも比較的軽量で、低スペックPCでも動作する可能性が高いものばかりです。
【結論】用途別おすすめDAW
先に結論をお伝えしますね。
初心者の方で迷ったらこの中から選んでみてください。
- とにかく無料で本格的に始めたい → Cakewalk by BandLab（Cakewalk Sonar）
- 元有料DAWの最上位版が無料。機能制限なし
- ※ただし2025年8月以降は再認証不可なので注意
- Cakewalk Sonar 無料版として引き続き後継版はあり
- 動作の軽さ最優先 → Tracktion Waveform Free
- ミュートトラックのプラグイン停止など、低スペック配慮が嬉しい
- Windows/Mac/Linux対応
- エレクトロニック系を作りたい → LMMS
- FL Studio風のパターンベース制作
- 完全オープンソースで将来性も安心
- Mac限定だが初心者に最適 → GarageBand
- Apple製品なら無料プリインストール
- 直感的で分かりやすいUI
- 音声編集メイン → Audacity
- DAWというより音声編集ソフト
- 軽量で安定、歴史も長く情報豊富
【比較表】低スペックPC向け無料DAWのおすすめ一覧
それでは、10個のDAWを比較表でチェックしてみましょう。
| DAW名 | 対応OS | 完全無料? | トラック制限 | VST対応 | 軽さ | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Cakewalk by BandLab | Windows(64bit) | ○ | 無制限 | ○(VST3) | △ | 元SONAR Platinum相当の高機能 |
| Tracktion Waveform Free | Win/Mac/Linux | ○ | 無制限 | ○ | ◎ | 低スペック配慮が手厚い |
| LMMS | Win/Mac/Linux | ○ | 無制限 | ○ | ○ | パターンベース、FL Studio風 |
| Reaper | Win/Mac/Linux | △(評価版) | 無制限 | ○ | ◎ | 60日後も機能制限なし使用可 |
| Ardour | Win/Mac/Linux | △ | 無制限 | ○ | ○ | 10分ごとに停止(無料版) |
| GarageBand | Mac/iOS専用 | ○ | 無制限 | × | ○ | Apple製品限定、初心者向け |
| MPC Beats | Win/Mac | ○ | 8MIDI+2Audio | ○ | ○ | ビートメイキング特化 |
| Audacity | Win/Mac/Linux | ○ | 無制限 | △ | ◎ | 音声編集特化、DAWではない |
| Podium Free | Windows | ○ | 制限あり | ○ | ○ | 情報少なめ |
| SoundBridge | Win/Mac | ○ | 制限あり | ○ | ○ | 情報少なめ |
軽さの評価基準
- ◎:非常に軽い(2GB RAM程度でも快適)
- ○:比較的軽い(4GB RAMあれば使える)
- △:やや重め(8GB RAM以上推奨)
やはり低スペックPCで作曲するうえで軽さは重要な要素です。
そのほか、
- 完全無料か？
- トラック数
- 外部プラグイン（VST）の使用が可能か
- 特徴
を表にしています。
評価項目が多すぎても検討が難しいと思うので、低スぺPC×無料を重要視したポイントに絞っています。
僕は以前Studio One Prime を使用していたのですが、VSTを使えず（無料DAW備え付けの音源しか使えず）困ったこともあり、VSTが使えるかどうかも評価基準に入れています。
それでは、各DAW調べていて感じた特徴をレビューします！
各DAWの詳細レビュー
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
1. Cakewalk by BandLab
こんな人におすすめ
- 本格的な音楽制作を無料で始めたい
- Windowsユーザー
- トラック数無制限で自由に作りたい
基本情報
- 対応OS: Windows 10/11(64bit専用)
- トラック数: 無制限
- VST対応: VST3対応
- 動作の軽さ: やや重め(推奨:8GB RAM以上)
特徴
かつて有料DAW「SONAR Platinum」として販売されていた最上位版が、BandLabによって完全無料化されたのがCakewalk by BandLabです。
無料DAWとは思えないほど高機能で、プロの現場でも使える実力を持っています。トラック数無制限、ProChannelなどのプロ機能も搭載。
ただし、2025年8月1日以降は再アクティベーションができなくなるという重要なお知らせがあります。既存のインストールは動作しますが、新たに「Cakewalk Sonar無料版」への移行が推奨されています。
少し前までなら、とりあえずこれを試してみて、重かったら他のDAWにするという選び方でもよかったほどだと感じます。
いちおう「Cakewalk Sonar無料版」も、Cakewalk by BandLab の後継という事なので、期待していいかと思います！
動作環境(公式推奨)
※Cakewalk by BandLabのデータです。
- OS: Windows 10以降(64bit)
- CPU: マルチコア推奨
- RAM: 4GB以上(推奨:16GB)
- ストレージ: 3GB以上
メリット・デメリット
メリット
- 元有料DAWの最上位版が無料
- トラック数無制限
- VST3対応で拡張性が高い
- 日本語対応
デメリット
- Windows専用(Macは使えない)
- 32bit OSには非対応
- やや重め(低スペックPCには厳しい場合も)
- 2025年8月以降は新規アクティベート不可
2. Tracktion Waveform Free
こんな人におすすめ
- とにかく軽く動くDAWが欲しい
- クロスプラットフォーム対応がいい
- 低スペックPCで本格的に制作したい
基本情報
- 対応OS: Windows/Mac/Linux
- トラック数: 無制限
- VST対応: VST/VST3/AU対応
- 動作の軽さ: 非常に軽い
特徴
Waveform Freeの最大の魅力は、低スペックPCへの配慮です。ミュートしているトラックのプラグインを自動停止する機能や、フリーズポイントを細かく指定できる機能など、軽量動作のための工夫が満載。
トラック数無制限、エクスポート制限なし、VST対応と、無料DAWとしては破格の内容です。2021年にはTEC Award(Grammy賞の技術版のような賞)にもノミネートされました。
動作環境(公式推奨)
- Windows 10以降
- macOS 10.15以降
- Linux Ubuntu 20.04以降
メリット・デメリット
メリット
- 非常に軽量で低スペックPCに優しい
- トラック数・エクスポート制限なし
- Windows/Mac/Linux全対応
- 定期的なアップデート
デメリット
- 初見ではUIが独特に感じるかも
- 付属音源は少なめ
- 日本語情報がやや少ない（日本語化は可能です！）
3. LMMS(Linux MultiMedia Studio)
こんな人におすすめ
- エレクトロニック系、ビート系の音楽を作りたい
- FL Studioに興味がある
- 完全オープンソースのソフトがいい
基本情報
- 対応OS: Windows/Mac/Linux
- トラック数: 無制限
- VST対応: VST対応(WineでWindows用VSTも可)
- 動作の軽さ: 比較的軽い
特徴
LMMSはFL Studio風のパターンベース制作が特徴のDAWです。短いフレーズ(パターン)を作って、それをプレイリストに配置していくスタイル。
完全オープンソースで、2005年から開発が続いています。将来的に有料化する心配もなく、コミュニティも活発です。
テクノ、ハウス、ヒップホップなどのダンスミュージック制作に最適ですが、もちろん他のジャンルでも使えます。
動作環境
- 一般的なコア数、クロック数、メモリ容量があれば動作
- より多くのプラグインを使う場合は高スペック推奨
メリット・デメリット
メリット
- 完全無料のオープンソース
- パターンベースで直感的
- 付属音源・エフェクトが豊富
- FL Studioへの移行もスムーズ
デメリット
- オーディオ録音機能は弱め
- 生楽器よりも打ち込み向き
- 一般的なDAWとワークフローが異なる
4. Reaper
こんな人におすすめ
- 評価版でも機能制限なく使いたい
- 将来的に有料版を買うかもしれない
- カスタマイズ性を重視する
基本情報
- 対応OS: Windows/Mac/Linux
- トラック数: 無制限
- VST対応: VST/VST3対応
- 動作の軽さ: 非常に軽い
- 価格: $60(個人用)、評価版は60日後も使用可
特徴
Reaperは厳密には無料ではないのですが、評価版が60日経過しても機能制限なく使い続けられることで有名です。(購入を促すメッセージが出て5秒待つ必要がありますが)
なので、実質は無料で使用可能です。
動作が非常に軽く、カスタマイズ性も抜群。Pythonスクリプト(ReaScript)で自分好みに機能拡張もできます。
プロの現場でも使われているそうですよ。
動作環境
- Windows XP以降で動作(公式記載あり)
- 低スペックPCでも快適
メリット・デメリット
メリット
- 評価版でも機能制限なし
- 非常に軽量で高速
- カスタマイズ性が極めて高い
- 価格も安い($60)
デメリット
- 初期設定が独特
- 日本語化は有志パッチが必要
- 付属音源は少ない
- 初心者には少しとっつきにくい
5. Ardour
こんな人におすすめ
- Linuxで本格的なDAWを使いたい
- オープンソースにこだわる
- 録音・ミキシングメインで使いたい
基本情報
- 対応OS: Windows/Mac/Linux
- トラック数: 無制限
- VST対応: VST/VST3対応(Mac はAUも)
- 動作の軽さ: 比較的軽い
- 価格: ソースコードは無料、バイナリ版は月$1~
特徴
Ardourはプロ志向のオープンソースDAWです。もともとLinux用に開発されたため、Linux環境で本格的な音楽制作をしたい人には最有力候補。
ソースコードは無料ですが、コンパイル済みのバイナリ版を使うには最低$1の寄付が必要です。寄付なしでも使えますが、10分ごとに音声出力が停止します。
録音とミキシングに強く、MIDI機能は後から追加されたため、オーディオ作業がメインの方に向いています。
動作環境
- Windows XP(64bit)以降
- macOS High Sierra以降
- Linux各種ディストリビューション
メリット・デメリット
メリット
- Linux対応の本格DAW
- オープンソースで透明性が高い
- プロ仕様の録音・ミキシング機能
- Harrison Mixbusのベースにもなっている
デメリット
- 無料で使うには10分制限あり
- MIDI機能はやや弱め
- 日本語情報が少ない
- 初心者には難しい
6. GarageBand
こんな人におすすめ
- Macユーザー
- 音楽制作が初めて
- 直感的に操作したい
基本情報
- 対応OS: Mac/iOS専用
- トラック数: 無制限
- VST対応: 非対応(AU音源のみ)
- 動作の軽さ: 比較的軽い
特徴
GarageBandはApple純正の初心者向けDAWです。Mac/iPadを持っていれば無料で使えます(プリインストールまたはApp Storeから)。
初心者でも直感的に操作できるUIが特徴で、ドラムパターンや楽器レッスン機能も内蔵。Logic Proの簡易版という位置づけで、将来的にLogic Proへステップアップする流れも自然です。
ただし、Apple製品限定でVST非対応という点は注意が必要です。
動作環境
- macOS 10.9以降
- 10GB以上の空き容量が必要
メリット・デメリット
メリット
- Mac/iOSユーザーなら完全無料
- 初心者に最も優しいUI
- 付属音源・ループが豊富
- 日本語完全対応
- Logic Proへの移行が容易
デメリット
- Apple製品専用
- VST非対応(AU音源のみ)
- プロ向け機能は少ない
- Windowsでは使えない
7. MPC Beats
こんな人におすすめ
- ヒップホップ・ビートメイキングがしたい
- MPCワークフローに興味がある
- パッド入力で直感的に作りたい
基本情報
- 対応OS: Windows/Mac
- トラック数: 8 MIDI/インストゥルメント + 2オーディオ
- VST対応: VST/AU対応
- 動作の軽さ: 比較的軽い
特徴
MPC Beatsは、AKAI Professionalの伝説的サンプラー「MPC」のワークフローを体験できる無料DAWです。
4×4のパッドを使った直感的なビートメイキングが特徴で、ヒップホップ、トラップ、ビートミュージック制作に最適。2GB以上のサウンドコンテンツも付属します。
トラック数は8 MIDI+2オーディオと制限がありますが、ビートメイキングに特化するなら十分な内容です。
動作環境
- Windows/Mac対応
- 具体的なスペックは公式サイト参照
メリット・デメリット
メリット
- MPCワークフローが無料で体験できる
- 2GBのサウンドコンテンツ付属
- ビートメイキングに特化
- VST/AUプラグイン対応
- 他のDAWでプラグインとしても使用可
デメリット
- トラック数が少ない(8 MIDI + 2 Audio)
- ビートメイキング以外の用途には不向き
- 汎用DAWとしては機能不足
8. Audacity
こんな人におすすめ
- ポッドキャスト・音声編集がメイン
- とにかく軽量で安定したソフトが欲しい
- 歴史があって情報が豊富なソフトがいい
基本情報
- 対応OS: Windows/Mac/Linux
- トラック数: 無制限(ただしDAWではない)
- VST対応: 部分的に対応
- 動作の軽さ: 非常に軽い
特徴
Audacityは音声編集ソフトであり、厳密にはDAWではありません。でも、「軽量で無料の音楽ソフト」を探している人には選択肢に入ります。
1999年から開発が続く歴史あるオープンソースのソフトで、ノイズ除去やカット編集などの音声編集に特化。ポッドキャスト制作や音声の後処理には最適です。
MIDI打ち込みやリアルタイム演奏には向きませんが、音声編集に関しては非常に安定していて軽量です。
動作環境
- Windows/Mac/Linux対応
- 非常に軽量(2GB RAMでも快適)
メリット・デメリット
メリット
- 非常に軽量で安定
- 完全無料のオープンソース
- 音声編集機能が充実
- 日本語情報が豊富
- 歴史が長く安心
デメリット
- DAWではない(音楽制作には不向き)
- MIDI機能はほぼなし
- リアルタイム演奏・打ち込みには不適
- 楽曲制作というより音声編集向け
9. Podium Free / 10. SoundBridge
簡易紹介
これら2つのDAWについても無料で使えるのですが、正直なところ日本語情報が非常に少なく、僕自身も詳しく検証できていません。
Podium FreeはWindows専用の無料DAWで、VST対応ですがトラック制限などの機能制限があります。
SoundBridgeもWindows/Mac対応の無料DAWですが、こちらも情報が少なめです。
もし興味がある方は、公式サイトで詳細を確認してみてください。ただ、最初に選ぶDAWとしては、上記で紹介した他のDAWの方が情報も多く安心です。
低スペックPCで音楽制作を始めるための基礎知識
最低限必要なPCスペックの目安
ギリギリ動くレベル
- CPU: デュアルコア 2GHz以上
- RAM: 2GB以上
- ストレージ: 空き容量5GB以上
快適に使えるレベル
- CPU: クアッドコア 2.5GHz以上
- RAM: 4GB以上(推奨:8GB)
- ストレージ: SSD推奨、空き容量10GB以上
もちろん、使用するプラグインやトラック数によって必要スペックは変わってきます。
そして悲しいことですが、有料高機能のDAWはさらにさらにスペックが求められます。
”低スペックPCでも使えるDAWを動かす上での必要スペック”と考えてください。
VST(Virtual Studio Technology)とは?
VSTとは、サードパーティ製のプラグイン音源やエフェクトを使えるようにする規格です。
VST対応のDAWなら、無料・有料の膨大な音源ライブラリを追加できます。低スペックPCの場合、軽量なVSTプラグインを選ぶのがポイントです。
先述したようにVSTプラグインに対応していないDAWではDAWに備わっている基本の音源しか使用できないという制限があることに注意してください！
低スペックPCで快適に使うコツ
- 使わないトラックはフリーズ(バウンス)する
- 重いプラグインを音声ファイル化してCPU負荷を下げる
- バッファサイズを大きくする
- レイテンシ(遅延)は増えるが、安定性が向上
- プラグインは厳選する
- 軽量なプラグインを選び、不要なものは削除
- オーディオドライバを最適化する
- ASIO4ALLなどの専用ドライバを使用
まとめ:あなたに最適な無料DAWの選び方
長い記事になってしまいましたが、最後にもう一度まとめますね。
完全無料で本格的に始めるなら
Cakewalk by BandLab または Tracktion Waveform Free
どちらもトラック数無制限、機能制限なし。CakewalkはWindows専用ですが高機能。Waveform Freeはクロスプラットフォームで軽量。
とにかく軽さ重視なら
Tracktion Waveform Free または Audacity(音声編集) または LMMS(エレクトロ系)
低スペックPCで快適に動作することを最優先するならこの3つ。
Mac限定だが初心者に最適
GarageBand
直感的で分かりやすく、Apple製品ユーザーならまずはこれ。
評価版だが実質無料で使い続けられる
Reaper
60日経過後もメッセージを5秒待てば機能制限なし。将来的に$60で購入もあり。
さいごに
低スペックPCでも、無料で音楽制作を始めることは十分可能です。
大切なのは、自分の目的とPC環境に合ったDAWを選ぶこと。最初から完璧を求めず、まずは触ってみることをおすすめします。
どのDAWも無料でダウンロードできるので、気になったものをいくつか試してみて、自分に合うものを見つけてくださいね。
何か質問があれば、お気軽にコメントしてください。
僕自身も低スペックPC×音楽未経験で作曲を発信しています！
使っているDAWは軽量最重視のWaveform Free 13です！
同じ目線で記事を書いていきたいと思いますので、また見に来てください。
といいつつ、いつかはDTM用のPCやStudio One Pro を買いたいです。。。
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